子供のを褒めることは大切です。
しかし同時にどのように褒めるかも大切です。
「子供は褒めて伸ばす」「褒めすぎは甘やかし」など子供を褒めることについては賛否両論ありますが、
褒めること自体が良い悪いではなく、どのように褒めるかということが大切です。
子供の褒め方の大原則として、
結果ではなく過程を褒めましょう。
例えば子供がテストで100点を取ったら、
「毎日コツコツ勉強してたからがんばったねー」
と過程を褒めてあげます。
「あなたは頭がいいね」と結果だけを褒めてはいけません。
過程を褒めるとは努力を褒めるということです。
結果を褒めるということは才能を褒めるということです。
ある実験で子供たちにテストを受けさせた後、2つのグループに分けました。
一方のグループは努力を褒めました。
他方のグループは才能を褒めました。
その後、同じ難易度の別のテストを受けさせると、
努力を褒められたグループは成績が上がりました。
才能を褒められたグループは成績が下がりました。
努力を褒められたグループはテストに取り組むこと自体を楽しみ、挑戦していきました。
一方、才能を褒められたグループは難しい問題に直面すると「自分は本当は頭が良くないのかもしれない」とプレッシャーばかり感じて消極的になりました。
努力を褒められた子供は「次も頑張ろう」と思えます。
困難にぶつかったときも「問題が難しかった」「次はこんなふうに頑張ろう」と楽観的に捉えることができます。
才能を褒められた子供は失敗を恐れます。
困難を避け、難しい問題に直面すると「自分には才能がない」「自分はダメだ」と自己否定に陥りがちです。
褒めることは教育上、子供にどんな良い影響があるのでしょう?
先ほど書いた通り、
褒めることの効用は努力の肯定です。
挑戦することは楽しい。
失敗してもそれはあなたの存在自体がいけないわけではない。
過程を工夫することは大切なこと。
そういったことの学びと経験を促すために褒めることが効果的なのです。
褒めることは努力を肯定することであり、
自信つけさせることとは微妙に違います。
子供の結果や才能だけを褒めて、「自分はできる」と単に自信をつけさせるだけでは学力は上がりません。
自信をつけても勉強の成績が上がるような統計データはありません。
勉強の成績が良い子が結果として自信もあるだけなのです。
褒めることは子供に才能に基づく自信を持たせることではありません。
褒めるということは、
挑戦することの楽しさ、失敗してもあなたはあなたなんだという安心感。
過程を工夫することで結果が変わってくるという実感。
結果だけでなくプロセスも楽しめる。
といったことを促すことなのです。
親が子供を褒めるときの注意点として、
褒めるときは心から褒めましょう。
子供は7歳頃、つまり小学生前後になると言葉の意図を読みとれる言語能力がついています。
例えば「こんなに本を読んですごいねぇ」と親が褒めたとします。
保育園児の子供は単に「やったあ、褒められた」で終わります。
しかし7歳前後になってくると
「お母さんは僕が本を読むとうれしいんだな。テレビを見るより本を読んでいてほしいんだな」
と言葉の意図まで考えだします。私達大人と一緒ですね。
子供は親の褒め言葉を見透かします。
下心がある褒め言葉がうれしくないのは大人も子供も一緒です。
褒めるときは心から、愛情を持って。
当たり前のことですが、大切なことです。
【参考文献】
・ポー・ブロンソン『間違いだらけの子育て』合同出版、2011年