育児・教育コラム

子供には「ワンワン」と教えたほうがいいのか「犬」と教えた方がいいのか?

公開日:2017年2月6日

子供が小さい頃には「犬」を「わんわん」など赤ちゃん言葉で言うことがあります。
これらは幼児語とも言います。

わんわん、ブーブー、にゃんにゃん、まんま、じーじー、ばーばー、ちっち などなど。

小さい子が一生懸命幼児語を言う姿は愛らしいものです。
 
 
 
【幼児語は使っていいのか?】
しかしながらいつかは「犬」や「車」など成人語で言うことになります。
そう考えると子供にははじめから幼児語ではなく大人の言葉で教えたほうがいいのでしょうか?
 
 
 
【幼児語と成人語】
結論から言うと
無理にはじめから大人の言葉を教える必要はありません。幼児語を使ってOKです。

もちろん「必ず最初は幼児語で」ということではありません。
子供が自然と「犬」と大人の言葉を使う場合はOKです。
 
 
 
【幼児語が効果的な理由その1】
幼児語が子供の言葉の発達に役立つ理由について考えてみたいと思います。

まず前提として、幼児語は子供にとって言いやすい言葉です。

なぜ言いやすいのでしょうか?

一つ目の理由は発音しやすい。
「わんわん」「ちっち」など同じ単純な音を繰り返す言葉は発音しやすいです。

なぜなら、赤ちゃんははじめは「あー」「ぶー」など一音の音を出し始めます。
それが上手になると今度は2音以上の音を出します。
この2音以上の音を出す際に取り組みやすいのが「ぶーぶー」など繰り返す言い方なのです。

また、幼児語には「ぶーぶー」や「まんま」など「ば行」「ぱ行」「ま行」の音が盛んに使われます。
「ば行」「ぱ行」「ま行」は唇を閉じないと出せない音です。つまり唇が必ず動く音です。

赤ちゃんは親の口の動きをみて発音の仕方を学びます。
口の中に隠れている舌を動かす音より、唇が動く音の方がわかりやすく先に覚えます。

ですので唇を使う音がたくさんある幼児語は子供にとって発音しやすい言葉なのです。

補足記事:子供の発音は何歳で完成するのか?
 
 
 
【幼児語が効果的な理由その2】
幼児語が子供が言いやすい理由の2つ目が覚えやすいという点です。

基本的に、対象と言葉は関連性のない結び付きです。
犬が「犬」と呼ばれるのは、単にそういう決まりだからにすぎません。

そして私達は関連性のない物事を覚えにくいものです。
歴史の年号はそのままでは覚えにくいです。
だから語呂合わせなどを使って少しでも関連性を見出そうとします。

犬を「犬」と呼ぶことに関連性はありませんが、
犬を「わんわん」と呼ぶことはいくらか関連性があります。
「わんわん」から犬の鳴き声を連想できます。

幼児語は基本的に対象の特徴を捉えたものが多いです。
そのため覚えやすいです。

覚えやすものの方が子供は早く使えます。
 
 
 
【大切なのは使うこと】
言葉は道具です。
一番大切なのは覚えることではなく使えることです。

車を「車」と覚えることも大切ですが、それに時間を費やしてばかりもいけません。
「ぶーぶー」でもいいのです。

「ぶーぶー」を見たのか、
「ぶーぶー」が欲しいのか
「ぶーぶー」に乗りたいのか。
親に伝えることができ、親と言葉を共有できることが大切です。

車を「車」と覚えることより、
自分の言葉に耳を傾けてくれる人がいると気づくこと、言葉って便利なんだと感じることのほうが大切です。
それが言葉が増えることにつながります。

幼児語→大人の言葉への成長も大切ですが、
最も大切なのは言葉を使えるようになることです。

言葉を使うとは、
・言葉でコミュニケーションをとれること
・言葉で自分の考えを整理できること

です。

言葉というとコミュニケーションのイメージが強いですが、実際はものを考えることにも重要です。

私達は頭の中で考えるとき、無意識に声にならない声でしゃべっています。
頭の中で言葉を使って考えています。

言葉が発達するということは、思考しやすくなるということです。
 
 
 
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