療育のタイミングが遅れること
発達相談などにおいて相談や療育のタイミングが遅くなることがあります。
「上の子も遅かったからそのうち(言葉が)出ると思っていた」という理由がしばしばあります。
当然ではありますが、子供達は別の人格を持つ別の存在なので、個別に成長を見てあげる必要があります。
そして経験則だけにとらわれず、客観的な視点も必要です。
しかしながら、多忙で多様な子育てでは、その視点を持つことが難しいことも事実ではあります。
解説
発達が遅かった?上の子
やや発達の経過が遅いけれど、結果として一般的な水準の発達におおむね追いついたというケースがしばしばあります。
それでも専門家から見るとやや指摘したい面がなきにしもあらずですが、おおむね言葉も出ていて日常生活に困っている様子もなく、指摘する明確なタイミングがないまま時間が過ぎる。
そういったケースがあります。
発達が遅い?下の子
そして下の子も発達が遅いとき、「上の子も遅かったから」と考える家庭は多いです。
健診でもギリギリ指摘されないか、指摘されても再相談に行かない。
そういった家庭が時折あります。
母親か父親、どちらかは「発達が遅いのではないか?」と疑問に思っていても、他方が「上の子も遅かったからそのうち(言葉が)出るだろう」と判断し、夫婦間の合意がとれず相談に至らない。
全ての家庭がそうではもちろんありませんが、「上の子も遅かったから」という理由で発達相談が遅れる家庭は、両親の認識のズレが見られることがしばしばあります。
個々の発達に目を向けてあげる
子供達一人一人の発達に目を向けてあげることは大切です。
これには2つの意味があります。
1つは冒頭で述べた通り、「上の子は○○だったから」と一括りにするのではなく個々の成長を客観的な視点も含め見てあげることです。
そしてもう1つは、上の子も下の子も、「遅れがあるか・ないか」の2択ではなく細かい経過や困りごとを見てあげることです。
言葉が出ていたとしても、保育園のクラスの中で困っていることはないか。先生から見て気になるところはないか。
そういった丁寧な視点を持つことが、子供の成長における「見逃し」を防いでくれます。