親の学歴は子供の学力に影響するのか?
統計的には、親の社会階層と子供の学力には有意差があると考えられます。
ここで言う社会階層とはいわゆる学歴であり、親の学歴の高さと子供の学業成績の高さには相関が見られます。
解説
親の学歴と子供の成績の根拠
日本子ども社会学会による論文で、親の社会階層と子供の学業成績の関係を分析したものがあります。
これによると、小学生・中学生どちらにおいても親の社会階層と子供の学業成績には有意差があったようです。
例えば小学生の場合、学歴が中卒・高卒・専門卒の両親の子供の内、成績上位者は38.2%です。
一方で学歴が短大卒・四大卒の親の子供の内、成績上位者は65.3%となっています。
中学生の場合、中卒・高卒・専門卒の両親の子供の中で成績上位者は43.1%、短大卒・四大卒の親の子供の中で成績上位者は64.2%となっています。
なぜ親の学歴と子供の成績は関係するのか?
なぜ親の学歴が高いと子供の学業成績も高い傾向にあるのでしょうか。
説の一つとして、学歴の高い親の子供は学歴の高さを当たり前に求められる「進学期待」があることが指摘されています。
つまり大学に行った親は子供が大学に行くことも当たり前と思いますし、そういう環境で育てば子供も自分が大学に行くことは当たり前と感じます。結果として学業成績が高くなるという状態が発生します
これは当然と言えば当然ですが、社会の格差を生む残酷な事実とも言えるでしょう。
子供の成績が良いのはなぜかと言われれば、躾をしっかりしたとか勉強時間が長いからとかではなく、「親がそういう価値観だから」という身も蓋もない要因になってしまうからです。
参考資料
小針誠(2002)『小・中学生の学業成績と学校外学習時間に関する一考察 社会階層を媒体として』(日本子ども社会学会)2024年4月21日検索
『子どもの生活時間に関する調査研究』(一般財団法人 こども未来財団)2024年4月21日検索