勉強で子供はレベル別に分けた方がいいのか?
教育という分野において、
子供はレベル別に分けた方がいいのでしょうか?
レベル別、つまり学習の習熟度(理解度)別に教育を行った方がその子その子に合った指導ができそうですね。
一方で、分けてしまうと「いろんな子と接する機会が減る」「学力の格差が広がる」といった心配もありますね。
実際のところはどうなのでしょう?
教育学の研究によると、
習熟度別学級は全体の学力を上げるために有効であることがわかっています。
特定のお子さんだけでなく、全体に効果があるわけですね。
以下、もう少し詳しく
習熟度別学級の効果
マサチューセッツ工科大学のデュフロ教授の研究によると、
習熟度別学級を実施した小学校はそうでない小学校より学力が高かったそうです。
この習熟度別学級の効果でのポイントは、
習熟度別学級の効果はすべての学力層の子供に効果があったことです。
つまり、
勉強が苦手な子にとっても
勉強が得意な子にとっても、
習熟度別学級で勉強することはプラスになるということです。
そしてさらに興味深いことに、
習熟度別学級で特に学力の上昇が見られたのは、もともと学力が低い子供達でした。
習熟度別学級の効果はどの子にも見られますが、よりその恩恵にあずかれるのは勉強が苦手な子のようです。
習熟度別学級の注意点
当たり前の話ですが、
習熟度別学級の効果はその学級のレベルに合わせた指導を教師ができることが前提になります。
さらに気をつけることとして、スタンフォード大学のハヌシェク教授の研究で重要な知見があり、
子供の学齢が低い時期に習熟度別学級を実施すると格差が拡大し、むしろ平均的な学力も下がってしまう可能性があるとのことです。
習熟度別学級がおおむね効果のある介入ですが、その時期には注意が必要なようですね。
まとめ
子供はレベル別に分けた方がいいのでしょうか?
子供の学力状況に合わせてクラスを分け、それぞれに合った指導をすることを「習熟度別学級」なんて言ったりします。
教育学の研究によると、
習熟度別学級は全体の学力を上げるために有効であることがわかっています。
習熟度別学級の効果はすべての学力層の子供に効果がありますが、
特に学力の上昇が見られたのは、もともと学力が低い子供達であるという点も興味深いですね。
しかしながら、
習熟度別学級は子供の学齢が低い時期に実施すると格差が拡大し、むしろ平均的な学力も下がってしまう可能性が示唆されています。
そのため導入のタイミングには配慮が必要でしょう。
その他の記事