子供の物語を理解する
子供の言動に対して、それまでの文脈を察した上で寄り添うことは大切だと思います。
子供がなぜそのように考え、そのようなことを言って、そのような行動をしたか。
目の前の行動だけを叱ったり褒めたりするのではなく、今までの子供の様子を踏まえて接してあげる。
そのような姿勢が一貫した子育てや子供の安心感につながると思います。
人にはそれぞれ理由や思い、つまり物語があります。
その物語を理解し寄り添うことが、親が子供にできる愛情のかけ方の1つだと思います。
解説
同じ行動でも意味は異なる
同じ行動であっても、その意味は文脈によって異なります。
例えば子供がコップを割ってしまったとします。
これが「ふざけてやった」としたら良くないことです。
一方で、「お母さんにお茶を出してあげようとして割った」なら、その思いは褒めてあげるべきでしょう。
このように、子供の言動にどのような文脈があったのか汲み取った上で接することは大切です。
当たり前のように思えることですが、日々の多忙な子育ての中で、私達はついついこのことを忘れがちです。
多忙な日々の中でついつい子供の「目の前の言動」だけを褒めたり叱ったりしてしまいがちです。
子供の過程を見守る
結果だけを褒めるよりも、過程を褒めてあげることが大切だと、心理学ではしばしば言われます。
理由は後述しますが、いずれにせよ過程を褒めることは子供のことを日頃からしっかり見守っていないとできない行為です。
テストの点を褒めることは簡単です。100点という数字はその場でテストを見ればわかるからです。
けれど過程を褒めるには、親にもそれなりの積み重ねが必要です。
子供が毎日宿題をしている様子を見守り、わからない問題に対して粘り強く取り組めたかを見守り、最初は解けなかった問題が解けるようになった喜びを共有する。
要するに過程を褒めようと思ったら(当たり前ですが)親自身もその過程を共有しないといけません。
子供のそれまでの気持ちを汲み取り共感し、それを踏まえた言葉をかける。
それは大変なことでもありますが、子供が安心感と自尊心をもって育つ上でとても大切なことだと思います。