「内面化行動問題」のソーシャルスキル
児童用社会的スキル尺度において、「内面化行動問題」は問題行動尺度を構成する因子の1つです。
- 他の子達と一緒にいるときに不安そうである
- ふさぎこんでいる
- 一人でいることが好きである
- さびしそうにしている
「内面化行動問題」は、具体的には上記のような4つの項目となっています。
解説
因子の意義
子供のソーシャルスキルを評価する「児童用社会的スキル尺度」は、社会生活(集団生活)における子供の適切な行動と不適切な行動の両面から評価を行います。
このうち不適切な行動を評価する因子の1つが「内面化行動問題」です。
文字通り、内面化行動問題は本人の内面に影響を及ぼす行動を指します。
内面化問題行動は外面化問題行動と異なり周囲に問題は与えないぶん、見過ごされやすい側面と言えるでしょう。
しかしながら、不安や寂しさといった気持ちを内面に溜め込んでしまうことは、当然ながら社会生活において望ましくはないと考えられます。
子供の社会的スキルを考える上で、ネガティブな感情を内面溜め込みすぎず、適度に解消できいる力は重要でしょう。
平均値
冒頭の項目についてそれぞれ「全くみられない(1点)」「少しみられる(2点)」「時々みられる(3点)」「よくみられる(4点)」「非常によくみられる(5点)」で評価した場合の合計が、児童用社会的スキル尺度における「内面化行動問題」の得点となります。
学年・性別によって多少前後しますが、児童用社会的スキル尺度において「内面化行動問題」の平均は5~7点ほどになっています。
このため大雑把に言えば、多くの子供は冒頭で挙げたような「内面化行動問題」が「全くみられない」あるいは「少しみられる」程度に収まっていると想像できます。
ちなみに女子より男子のほうが高い傾向にある「外面化行動問題」と異なり、「内面化行動問題」にはあまり性差は見られないようです。
児童用社会的スキル尺度について
参考資料
磯部美良(2006)『児童用社会的スキル尺度教師評定版の作成』(一般社団法人 日本認知・行動療法学会)2024年12月31日閲覧