サ行の構音訓練

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【構音訓練】「さしすせそ」のための口の体操|子供の発音の指導方法(サ行)

公開日:2024年5月17日


 
 

サ行に必要な口腔運動

 サ行の構音訓練として、まずは舌で狭い空気の通り道を作る練習をします。

 方法としてはストローを使う場合が多いです。

 
 
 

解説

意義

 サ行の構音に必要な「s」の音は「無声歯茎摩擦音」と呼ばれます。

 舌端と歯茎で隙間を作り、そこから空気を出すことで摩擦する呼気を作ります。

 サ行の構音のためには舌端と歯茎で狭い空間を作ることが必要であり、その練習としてストローを用いることが多いです。

 
 

方法・手順

挺舌(ていぜつ)

 舌を口の外へ少し出した状態(前歯より1cm程度)を作れるようにします。

 舌の力を抜き、平板な状態で出します。

 この状態を「ベロをぺったんこにする」など便宜的に名前を付け、子供がすぐにこの形をできるように慣れていきます。

 ちなみに、子供によってはそもそも「指導者の口頭指示で口を動かす」ということに慣れていない場合も少なくありません。
 学習に集中できなかったり、恥ずかしくてやろうとしなかったりする場合があるかもしれません。

 その際は「『あー』と大きく口を開ける」「『ベー』と舌を出す」など簡単で基本的な口の体操でまずは慣れていくといいでしょう。

 いずれにせよ構音訓練では指導者の話を子供がよく聞くこと・そういった関係性を作ることは重要です。

 

ストローをくわえる

 挺舌ができるようになったら、その状態で前歯と舌でストローを加えます。

 舌端と前歯でストローくわえます。このとき位置は正中、唇は使わないように気をつけます。

 

水をブクブク

 挺舌の状態でストローを舌端と前歯でくわえ、この状態でコップの水をブクブクとします。

 舌端と前歯から呼気を出す動きを、水を使って視覚化して練習していきます。

 (行儀は良くないかもしれませんが)家庭学習として、ジュースを飲むときにこの口の形・ストローの加え方で飲んでみてもいいでしょう。

 
 
 

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参考資料

湧井豊『構音障害の指導技法-音の出し方とそのプログラム-』学苑社、1992年

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