思春期

【思春期】早熟・晩熟な子は抑うつ傾向があるのか?

公開日:2024年5月16日


 
 

早熟・晩熟な子の抑うつ傾向

 思春期の早熟・晩熟な青年を対象にした研究では、男子は晩熟・女子は早熟な青年が抑うつ傾向が高いと考えられてることが多いです。

 思春期は身体の変化が大きな時期ですが、そのペースは個人差が大きいです。
 このため周囲と比較し早熟か晩熟かといった「発達タイミング」も、その子の心理面に影響を与えると考えられます。

 
 
 

解説

男子

 欧米の研究では、男子は晩熟な青年は低い自己像を持ちやすいという傾向が考えられています。
 しかし研究によっては異なる結果も見られ、個人差は大きいと言えるでしょう。

 低い自己評価は抑うつ傾向などに関わってくると考えられます。

 第二次性徴はどちらかと言えば女子の方が先に始まります。

 このため、晩熟な男子は「男女含めた同級生の中で身体発達が遅かった子」ということになります。

 このような状況も晩熟な男子の心理面に少なからず影響を与えているのではという考えもあります。

 
 

女子

 女子の場合、早熟群の抑うつ傾向の高さは有意差が見られます。

 「いろいろなことに不満がある」「何をするのも面倒だ」「ふだんはなんでもないことがわずらわしい」「怒りっぽくなった」などの項目に、早熟群は中間群・晩熟群よりも該当する傾向があるようです。

 また「なかなか寝付けない」「夜眠れない」といった生活リズムについても早熟群のほうが得点が高い傾向にありました。

 
 
 

思春期の早熟・晩熟による傾向

 
 
 

参考資料

石川満佐育(2020)『思春期の子どもをもつ保護者への支援―理論的背景とCOVID-19感染予防の状況下における対応―』(日本学校心理学会)2024年2月3日閲覧

斉藤誠一(1985)『思春期の身体発育と性役割意識の形成について』(一般社団法人 日本教育心理学会)2024年2月24日閲覧

向井隆代(2010)『思春期の身体的発達と心理的適応―発達段階および発達タイミングとの関連―』(日本カウンセリング学会)2024年2月24日閲覧

山本 ちか(2012)『思春期のタイミングと早熟・晩熟の影響』(学校法人滝川学園 名古屋文理大学)2024年月3日3閲覧

-思春期

テキストのコピーはできません。