他者への無関心・不信としての孤独
人の孤独感は「共感」と「個別性」の考え方が大きく影響すると考えられています。
孤独感の分類において、他者と共感できずかつ個別性に気づいていると、「他人との分離状態」の孤独を感じることになります。
解説
共感と個別性のバランス
孤独感の類型化には下記のような2つの要因が考えられ、これらの組み合わせで計4つのタイプがあります。
- 人間同士の共感は可能であるか感じるか否か
- 人間に個別性はあると感じるか否か
そして4つのタイプの1つであり、C型とされる「他人との分離状態による孤独」は、以下のような構成となります。
- 人間は共感し合えないと感じている
- 人間に個別性に気づいている(人はそれぞれ違う感じている)
傾向や特徴
「他人との分離状態による孤独」による孤独を感じている人は、要するに「人は元々ひとりぼっちなんだ」という感覚を持ってしまいます。
これは「人はそれぞれ異なり、結局はわかり合うことはできない」というある種の諦め、ニヒリスティックにつながります。
人はそれぞれ異なりますが、場合によっては互いに共感し合うことができる。そのような手ごたえを感じるか否かにより、この種の孤独は変化するでしょう。
孤独感のタイプ分類
参考資料
石川満佐育(2020)『思春期の子どもをもつ保護者への支援―理論的背景とCOVID-19感染予防の状況下における対応―』(日本学校心理学会)2024年2月3日閲覧
斉藤誠一(1985)『思春期の身体発育と性役割意識の形成について』(一般社団法人 日本教育心理学会)2024年2月24日閲覧
向井隆代(2010)『思春期の身体的発達と心理的適応―発達段階および発達タイミングとの関連―』(日本カウンセリング学会)2024年2月24日閲覧
山本ちか(2012)『思春期のタイミングと早熟・晩熟の影響』(学校法人滝川学園 名古屋文理大学)2024年3月3日閲覧
丸山真名美(1999)『思春期の心理的特徴と「いじめ」の関係』(心理科学研究会)2024年3月8日閲覧
落合良行(1974)『現代青年における孤独感の構造 (I)』(一般社団法人 日本教育心理学会)2024年3月9日閲覧