思春期

思春期の男子の身体発達に伴う心の変化

公開日:2024年5月5日


 
 

思春期の男子の身体発達に伴う心の変化

 男子の場合、思春期の身体の変化が比して早熟であった場合、抑うつ傾向が低く身体的満足度が高い傾向があります。

 思春期は心も身体も変化が著しい時期です。
 そして身体の変化が、心に影響を与える可能性も考えられるでしょう。

 思春期の身体変化が具体的に心にどのように影響するのかを見ていきます。

 
 
 

解説

発達段階と発達タイミング

 思春期の心や身体の発達を考える上で、「発達段階」と「発達タイミング」という着眼点があります。

 発達段階とは文字通り発達の段階です。
 一方で、発達タイミングとは、同級生と比べて発達が早いか遅いかを指します。

 思春期の身体の発達と、それに伴う心の変化を考える上では、単に発達段階だけ見るのではなく発達タイミングを考慮する必要があるでしょう。

 
 

発達段階による心への影響

 男子の場合、身体的発達段階が進んだ子のほうが不安症状が強い傾向があります。ただしこれは学年による影響が大きいと考えられています。

 思春期において、身体の変化が始まっている子のほうが、不安症状が高い傾向が見られます。

 しかしながら、男子は女子と異なり思春期に伴う身体発達はやや遅れて始まります。
 この時期は中学生という小学生から環境が大きく変わった時期であり、こういった発達段階以外の要因が影響していることが考えられます。

 男子は発達段階と学年の関連が女子より強いと言えます。

 
 

発達タイミングによる心への影響

 発達タイミングが早い、つまり「早熟」な男子はそうでない男子と比べて抑うつ傾向が低く、また身体的満足度も高い傾向にありました。

 これはおそらく、身体的に早熟な子はスポーツなどで有利なことが多く、これが自己肯定感などにつながっていると考えられます。

 
 
 

思春期の身体の発達と心の影響

 
 
 

参考資料

石川満佐育(2020)『思春期の子どもをもつ保護者への支援―理論的背景とCOVID-19感染予防の状況下における対応―』(日本学校心理学会)2024年2月3日閲覧

斉藤誠一(1985)『思春期の身体発育と性役割意識の形成について』(一般社団法人 日本教育心理学会)2024年2月24日閲覧

向井隆代(2010)『思春期の身体的発達と心理的適応―発達段階および発達タイミングとの関連―』(日本カウンセリング学会)2024年2月24日閲覧

-思春期

テキストのコピーはできません。