早熟・晩熟な子の外見への意識
早熟な子はそうでない子に比べ、外見をより気にする傾向があるようです。
しかしながら細かな傾向は、男女で違いが見られます。
思春期は身体の変化が大きな時期ですが、そのペースは個人差が大きいです。
このため周囲と比較し早熟か晩熟かといった「発達タイミング」も、その子の心理面に影響を与えると考えられます。
解説
男子
男子の場合、早熟群のほうが外見をより気にしてる傾向がうかがえます。
「髪型が決まらないと学校に行きたくない」「1日に何度も鏡を見る」「普段の服装には気を遣っている」などの質問項目に、早熟群の方が共感を覚える傾向にあるようです。
また、晩熟群は「背が低いこと」を気にしている傾向があり、中間群は「太っていること」を気にしている傾向があるようです。
女子
女子の場合、体型に関する意識は早熟群のほうが高い傾向を認めますが、いわゆる「おしゃれ」に関わる意識は中間群が高い傾向にありました。
「背が高いこと」「スタイルが良くないこと」など体型に関する質問は晩熟群よりも中間群、中間群よりも早熟群が高い傾向にあります。
一方で、「髪型が決まらないと学校に行きたくない」「普段の服装には気を遣っている」といった体型を超えた容姿の項目は中間群が最も低い傾向にありました。
これはおそらく、中間群は周囲と「同じ」であることが多いため、容姿に気を遣う意識が向きにくかったのでは考えられます。
思春期の早熟・晩熟による傾向
参考資料
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