思春期

孤独感は悪いものなのか?|心理学

公開日:2024年6月4日


 
 

充実した孤独

 人の孤独感は「共感」と「個別性」の考え方が大きく影響すると考えられています。

 孤独感の分類において、他者との共感を大切にしながら同時に人の個別性に気づけていれば、孤独感は必ずしも悪いものではないでしょう。

 
 
 

解説

共感と個別性のバランス

 孤独感の類型化には下記のような2つの要因が考えられ、これらの組み合わせで計4つのタイプがあります。

  • 人間同士の共感は可能であるか感じるか否か
  • 人間に個別性はあると感じるか否か

 そして4つのタイプの1つであり、D型とされる「充実した孤独」は、以下のような構成となります。

  • 人間は共感し合えると感じている
  • 人間に個別性に気づいている(人はそれぞれ違う感じている)

 
 

傾向や特徴

 人はそれぞれが異なった価値観を持つ別々の人間です。
 同じ人間は一人もおらず、だからこそ「『互いが異なる』という点ではみなが『同じ』」とも言えます。

 これは人が共感し理解し合う糸口とも言えるでしょう。
 みんな違うんだということをわかり合うことが人はできるかもしれません。

 「私達はそれぞれが違う。けれど、だからこそ共感・理解し合えるかもしれない」と思えることは、ある意味では孤独なのかもしれませんが、ありのままの人間を認める幾分前向きな孤独感とも言えるでしょう。

 
 
 

孤独感のタイプ分類

 
 
 

参考資料

石川満佐育(2020)『思春期の子どもをもつ保護者への支援―理論的背景とCOVID-19感染予防の状況下における対応―』(日本学校心理学会)2024年2月3日閲覧

斉藤誠一(1985)『思春期の身体発育と性役割意識の形成について』(一般社団法人 日本教育心理学会)2024年2月24日閲覧

向井隆代(2010)『思春期の身体的発達と心理的適応―発達段階および発達タイミングとの関連―』(日本カウンセリング学会)2024年2月24日閲覧

山本ちか(2012)『思春期のタイミングと早熟・晩熟の影響』(学校法人滝川学園 名古屋文理大学)2024年3月3日閲覧

丸山真名美(1999)『思春期の心理的特徴と「いじめ」の関係』(心理科学研究会)2024年3月8日閲覧

落合良行(1974)『現代青年における孤独感の構造 (I)』(一般社団法人 日本教育心理学会)2024年3月9日閲覧

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