充実した孤独
人の孤独感は「共感」と「個別性」の考え方が大きく影響すると考えられています。
孤独感の分類において、他者との共感を大切にしながら同時に人の個別性に気づけていれば、孤独感は必ずしも悪いものではないでしょう。
解説
共感と個別性のバランス
孤独感の類型化には下記のような2つの要因が考えられ、これらの組み合わせで計4つのタイプがあります。
- 人間同士の共感は可能であるか感じるか否か
- 人間に個別性はあると感じるか否か
そして4つのタイプの1つであり、D型とされる「充実した孤独」は、以下のような構成となります。
- 人間は共感し合えると感じている
- 人間に個別性に気づいている(人はそれぞれ違う感じている)
傾向や特徴
人はそれぞれが異なった価値観を持つ別々の人間です。
同じ人間は一人もおらず、だからこそ「『互いが異なる』という点ではみなが『同じ』」とも言えます。
これは人が共感し理解し合う糸口とも言えるでしょう。
みんな違うんだということをわかり合うことが人はできるかもしれません。
「私達はそれぞれが違う。けれど、だからこそ共感・理解し合えるかもしれない」と思えることは、ある意味では孤独なのかもしれませんが、ありのままの人間を認める幾分前向きな孤独感とも言えるでしょう。
孤独感のタイプ分類
参考資料
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