【目次】 [close]
自己理解の領域分類
「自分はどんな人間か?」を振り返る(自己理解)上で、人は以下のような着眼点を持つことが多いと考えられます。
- 身体的・外的属性(「○○な見た目をしている」など)
- 外的所属(「○○の仕事をしている」など)
- 行動スタイル(「普段は○○している」など)
- 人格特性(「○○な性格だ」など)
このため(例えば問診などで)他者の自己評価を傾聴する場合は、上記のようなカテゴリーで回答を分析すると有意義でしょう。
以下、自己理解の領域分類を具体例を含めて見ていきます。
解説
身体的・外的属性
身体的特徴
身体的な特徴や外見についての認識です。
「背が高い」「太っている」「かわいい」「かっこいい」などです。
外的所属
所属や職業、場所などについての認識です。
「学生だ」「部活は○○だ」「○○会社だ」「東京生まれだ」などです。
その他
上記以外の身体的・外的属性です。
例えば「男らしい」「女らしい」という自己認識に対して「みんなにそう思われているから」など理由が上記の項目に一致しないものです。
行動スタイル
典型的な行為や行動
文字通り、自分の典型的な行動を通して自己認識を言及する場合です。
「いつも~する」「フットサルをしている」などです。
能力への評価
自身の脳旅行評価を通して自己認識する場合です。
「勉強ができる」「勉強ができない」「運動ができる」「運動ができない」「歌がうまい」「歌が下手」などです。
注意関心
嗜好・興味・欲求などを通して自己認識を言及します。
「~が好き」「~に関心がある」「~が欲しい」などです。
その他
これら以外の行動スタイルに関する言及です。
例としては「よく働く(理由は頭脳が発達するから)」などです。
人格特性
内向ー外向
外界に対して積極的に働きかけるか、あるいは内面の活動に目を向けるかです。
「明るい」「活発」「目立ちたがり」「物静か」「気が弱い」「人見知り」などです。
分離ー愛着
対人関係の距離に関係する自己認識です。
「冷淡」「無関心」「信頼」「協調」「マイペース」「自己中心」などです。
自然ー統制
自己や環境に対する意思による統制についてです。
「無責任」「怠惰」「我慢する」「諦めない」「負けず嫌い」「やる気がある」「計画的」などです。
非情動ー情動
心身へのストレスに対する情動反応についてです。
「のんき」「気楽」「緊張」「短気」「プラス思考」「マイナス思考」などです。
現実ー遊戯
現実的な否かの自己認識です。
「現実的」「夢想家」「頭が固い」「真面目」「ふざける」「夢中になる」「正直」「常識的」などです。
その他
上記以外の人格特性です。
例えば「なんとなく性格が変わる」などです。
発達障害と自己理解
参考資料
滝吉美知香、田中真理(2011)『思春期・青年期の広汎性発達障害者における自己理解』(一般社団法人 日本発達心理学会)2024年9月14日閲覧