タナー段階とは?
「タナー段階」「タナー・ステージ」「タナースケール」「タナー分類」「Tanner stage」など名称は微妙に異なる場合がありますが、いずれも同じものを指します。
タナースケールとは、思春期の身体発達を5段階に分類したものです。
医者であるジェームス・タナーが考案したことからこのような名称となっています。
解説
タナースケールの分類(男)
タナースケールは男女別にそれぞれ5段階あります。
男性は以下のようになります。
【第1段階】
陰茎:未発達
陰嚢:未発達
睾丸:未発達
陰毛:なし
【第2段階】
陰茎:ほとんど変化ない
陰嚢:肥大し始め、赤味を帯びる
睾丸:肥大し始める
陰毛:まばら、長く柔らかい、ややカールする
【第3段階】
陰茎:肥大がみられる
陰嚢:さらに大きくなる
睾丸:さらに大きくなる
陰毛:色は濃く、硬くなり、カールする(写真に撮れるようになる)
【第4段階】
陰茎:長く、太くなる。亀頭も肥大する
陰嚢:さらに大きくなり、色素沈着をみる
睾丸:さらに大きくなる
陰毛:成人に近くなるが、まばらで大腿部までは及ばない
【第5段階】
陰茎:成人様まで成熟
陰嚢:成人様まで成熟
睾丸:成人様まで成熟
陰毛:濃く密生する。大腿部まで及ぶ
タナースケールの分類(女)
女性は以下のようになります。
【第1段階】
未発達で乳頭のみ突出
【第2段階】
乳房がややふくらむ
乳輪が大きくなる
【第3段階】
乳房はさらに大きく突出する
【第4段階】
乳房肥大、乳輪と乳頭は乳房からさらにもり上がってみえる
【第5段階】
成人型のなる。
乳輪は後退するため乳頭のみ乳房から突出してみえる
タナースケールの意義
思春期の身体的発達において象徴的なのは女性は初潮、男性であれば精通が挙げられます。
しかし初潮や精通のみで思春期の発達を考えるのは不十分です。なぜなら思春期の発達は初潮・精通以前から徐々に段階的に始まっているからです。
思春期の身体的発達を段階的に考える上で役に立つのがタナースケールと言えるでしょう。
参考資料
石川満佐育(2020)『思春期の子どもをもつ保護者への支援―理論的背景とCOVID-19感染予防の状況下における対応―』(日本学校心理学会)2024年2月3日閲覧
斉藤誠一(1985)『思春期の身体発育と性役割意識の形成について』(一般社団法人 日本教育心理学会)2024年2月24日閲覧
『b.思春期早発症の系統的診断法(1.内分泌)』(国立国会図書館デジタルコレクション)2024年月2日24閲覧