【目次】 [close]
いじめの心理的要因
- 低い自己肯定感
- 他者に左右されやすい自己認識
- 友達集団への依存
- 友好でない友人関係
- 未熟な自己開示
- 大人への反抗心
中学校におけるいじめの心理的要因としては、(あくまで例ですが)以下のようなものが考えられます。
解説
低い自己肯定感
自己肯定感の低さが、いじめに関わると考える研究は複数見られます。
低い自己肯定感は「いじめられる」被害者だけでなく、「いじめる」加害者を生む可能性もあります。
つまり低い自己肯定感から自分を守るための過剰防衛としていじめをしてしまうパターンです。
他者に左右されやすい自己認識
もちろん個人差はあるでしょうが、思春期は他者評価を過剰に気にしてしまう時期でもあります。
そして自己認識が他者によって左右されやすい時期です。
例えば友人から「うざい」と言われればそれを非常に気にしてしまい、また「自分はうざい人間なんだ」と過剰に思ってしまいます。(つまり「あの人にそう言われたけれど、それはあくまであの人がそう思っているだけ」といった切り分けが難しい)
友達集団への依存
思春期は親との関係から友達との関係に人間関係が移行していく時期でもあります。
その途中経過として、友達集団に依存してしまう傾向があります。
先述のように自己意識が左右されやすい状態でありながら、友達のグループに所属することに依存してしまいます。
これが時として集団いじめに参加する(それを断れない)ことにつながります。
友好でない友人関係
上記のような「左右されやすい自己意識」「集団への依存」の中で友達付き合いを行うため、友人関係に本当の意味での友好さが伴わない場合があります。
つまり「友達グループに所属している自分」に過度に価値を見出してしまうため、信頼関係が不十分なことがあります。
未熟な自己開示
自分のことをうまく相手に開示できない・伝えることができないのも思春期の傾向と言えるでしょう。
これは先述の有効でない友人関係にも関係する要素でしょう。
大人への反抗心
もちろん全員というわけではないでしょうが、思春期は大人への反抗心も芽生えやすい時期です。
参考資料
丸山真名美(1999)『思春期の心理的特徴と「いじめ」の関係』(心理科学研究会)2024年3月8日閲覧
楠凡之(1997)『少年期のいじめ問題の発生機序と教育指導 : 自我・社会性発達の観点から』(心理科学研究会)2024年4月28日閲覧