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【発達障害と自己理解】相互的対人関係の影響

公開日:2024年11月8日


 
 

相互的な対人関係による自己理解

 相互的な対人関係の中で、自閉症スペクトラム障害(ASD)の人は自己を否定的にとらえる傾向があります。

 逆に定型発達の人は自己を肯定的にとらえる傾向があるため、興味深い傾向と言えます。

 
 
 

解説

発達障害と自己理解

 日本発達心理学会の論文に、自閉症スペクトラム障害者の自己理解について調査・研究したものがあります。
 定型発達の人と発達障害者を対象に、自己理解について答えてもらいその回答傾向を分析したものです。

 「自分はどういう人間なのか」自覚できることは、アイデンティティを確立する上で重要な要素の1つでしょう。

 そして自閉症スペクトラム障害者の場合、定型発達と比べて自己理解に特徴的な要素があると考えられています。

 
 

定型発達における相互的対人性と自己理解

 定型発達において、自己を肯定的に理解する場合、相互的な対人性が高い傾向にあります。

 つまり他者と相互的に関わりを持てることは、定型発達の人にとって自分をポジティブに評価できる一因となると考えられます。

 例えば友人と互いに楽しく過ごす経験ができれば、「自分は社交的な人間だ」という自己評価を下せるかもしれません。

 
 

自閉症スペクトラム障害(ASD)における相互的対人性と自己理解

 自閉症スペクトラム障害者において、相互的な対人性の中で自己を否定的にとらえるケースが比較的見られます。

 つまり他者と相互的に関わりを持つシチュエーションで、自分をネガティブに評価する傾向があるということです。

 これは自閉症スペクトラム障害者が他者と関わる中で、「自分と他人の違い」や「人と比べたときの自分のできなさ」「人間関係における困難さ」を痛感しやすいためであると考えられています。

 
 
 

発達障害と自己理解

 
 
 

参考資料

滝吉美知香、田中真理(2011)『思春期・青年期の広汎性発達障害者における自己理解』(一般社団法人 日本発達心理学会)2024年9月14日閲覧

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