単語の復唱ができるのは何歳から?
単語の復唱ができるのは1歳頃からと考えられます。
ここで言う単語の復唱とはあくまで他者が言った単語を繰り返してもらうことであり、子供がまだ発音できない音の誤りについては許容します。
つまり「アイス」という単語が「アイチュ」と復唱されても、子供が「アイス」と言おうとしているのなら可とします。
このような、(構音の不正確さは許容した)単語の音声模倣は、1歳頃から可能になってくると考えられます。
ちなみに構音の正確さも求める場合は、幼児期後半でなければ難しいでしょう。
解説
単語の復唱ができる時期
子供の発達を客観的に評価できる方法として、認知・言語促進プログラム(NCプログラム)というものがあります。
子供の発達を言葉や運動など幅広く、しかし要点を押さえて評価できるプログラムです。
これによると、単語の復唱は1~2歳頃の発達と位置付けられています。
1歳頃というのは単語を話し始める時期であり、また音声模倣も見られる時期です。
自分から言葉を発することと併せて、他者が話す単語を真似することも大切な時期と考えられます。
復唱課題のポイント
復唱課題はどのような意図で行うかによって評価の仕方が変わります。
冒頭で述べた通り、言葉を繰り返す力や聴覚記銘力、音声模倣の姿勢を見るのであれば発音の違いは許容するでしょう。
単語を復唱できる力は新しい言葉を覚えたり他者の言葉から言葉を学ぶ上で重要な力と言えます。
一方で、構音検査などにおける単語の復唱では、発音の違いも厳密に評価する必要があります。
どのような単語でどのような音が誤っているのかは、構音訓練に先立つ重要な評価項目です。
この場合は音の誤り方にも着目します。
つまり音が別の音になる「置換」なのか、置換ではないが正しい音ではない「歪み」なのか、音自体がない「省略」なのかなどです。
「置換」とは例えば「アイス」が「あいちゅ」となるなどです。
「省略」とは「アイス」が「あいう」「あい」などになるケースです。(「あいう」は「す(su)」の子音のみが省略されていると言えます)
復唱能力の発達
参考資料
『遠城寺式乳幼児分析的発達検査法について』(認知神経科学会)2023年3月18日閲覧