摂食障害と性格の特徴
摂食障害の患者の性格の傾向としては、高い神経質傾向と誠実性が考えられます。
特に誠実性の高さは興味深く、摂食障害と強迫性パーソナリティ障害(OCPD)は併発することも少なくありません。
解説
ビッグファイブとは?
- N:神経質傾向(Neuroticism)
- E:外向性(Extraversion)
- O:開放性(Openness to Experience)
- C:誠実性(Conscientiousness)
- A:調和性(Agreeableness)
ビッグファイブとは、人の性格を5つの要素で考える理論のこと、上記のような5つの因子で構成されます。
このうち神経質傾向は、怒りや不安といったネガティブな感情に関連します。
誠実性は、ルールを守る秩序や忠実さ、目標達成のために長期的な取り組みを行える達成努力や自制心に関連します。
5因子はいずれも良い・悪いはなく、それぞれが安定して持続した人の性格の因子です。
一方で、どの因子も「高すぎる」「低すぎる」場合はなんらかのリスクを抱えることがあります。
摂食障害と神経質傾向・誠実性
神経質傾向が高い女性は、(特に若い女性は)自尊感情が低く自分の身体についてネガティブな感情を持つ傾向にあります。
このため食事制限により身体の変化を望むわけですが、この際に誠実性が高いとその目標が過度に達成、つまり食事を摂らないという行動が上手くいきすぎて栄養失調や餓死を招いていしまいます。
高い誠実性が自分を追い詰めるほどの努力につながり、結果として自分を損なってしまう結果となってしまいます。
これはある意味で手段が目的となってしまった状態と言えるでしょう。
高すぎる誠実性が関連する精神疾患の1つに「強迫性パーソナリティ障害(OCPD)」があり、摂食障害と併発するケースが少なくありません。(同じ家系で現れる傾向があります)
強迫性パーソナリティ障害(OCPD)は「分単位で決められた日課をこなさないと気が済まない」といった極度の完璧主義であり、摂食障害の背景と重なる部分もあります。
ビッグ・ファイブ理論とは?
参考資料
ダニエル・ネトル(Daniel Nettle)(著)、竹内 和世(翻訳)『パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる』白揚社、2009年



