座位保持装置とは?
座位保持装置とは文字通り「座位」を「保持」する装置です。
座位保持装置は重症心身障害児など自力では座位をとることができない人の座位を支える椅子あるいは車椅子の類です。
補装具の1つであり、要件を満たすことで公的給付にて作製することができます。
座位保持装置の意義や役割
腰を中心とした体全体が安定することで、人は座ることができます。
しかしながら脳性麻痺などの身体障害により座位の姿勢を保持できない人もいます。
座位保持装置はそういった自力では座る姿勢をとれない人の座位を支えるために存在します。
座位保持装置で支えたからといって、
いずれ自力で座位がとれるようになるかと言えば、
そうでないことが多いです。
では座位保持装置の意義とはなんでしょう?
座位保持装置の意義は
座位をとることで変形や廃用を予防したり、
内臓機能を促したり、
上肢による作業をしやすくしたり
などがあります。
また座ることで他者とコミュニケーションをとりやすくするという意図もあります。
座位保持装置の実際
座位保持装置は廃用予防や作業活動などにおいてなくてはならない道具です。
また座位保持が必要な方は自力移動が困難なケースが少なくありません。
そのため現場としては
座位保持装置は移動介助時に必須な車椅子としての役割も果たします。
そのため座位保持装置も座位を保持する機能のない車椅子も一括りに「車椅子」と呼ばれることが多いです。
また座位保持装置は平成元年には補装具費支給制度の対象となりました。
座位保持装置は補装具に該当し、要件を満たせば当事者の金銭的な負担が少ない状態で購入することができます。
ただし座位保持装置はほぼほぼその人の体に合わせたオーダーメイドになるので、「買う」というよりは「作る」という感覚に近いかもしれません。
おわりに
座位保持装置はその人の身体機能や体の変形に合わせて作るので、非常に千差万別の形になります。
座位保持装置はその人が一日の大半を過ごす可能性がある非常に重要な車椅子です。
身体に合った物であることはもちろんですが、
洗い替え用のカバーなども一緒に購入しておいたほうが清潔に使えるのでおすすめです。
補足記事
参考資料
『座位保持装置の歴史的変遷と今後の展望』(日本義肢装具学会 J-STAGE)2020年7月7日検索
『座位保持装置に必要な理学療法評価と実用化が期待される評価技術』(日本義肢装具学会 J-STAGE)2020年7月7日検索