知的障害や発達障害など何らかの支援が必要なお子さんの小学校以降の進路をどうすべきか。
未就学の頃は保育園や幼稚園に通い、必要であれば加配をつけたり療育期間に療育に通ったりして過ごすことが主でしょう。
※加配とは
保育士さんが支援が必要なお子さんにマンツーマンかそれに近い形でつくことです。
【就学後の選択】
しかし小学校以降になると進路の選択に幅が出てきます。
勉強も本格的に始まり、友達同士の人間関係も保育園の頃より複雑になってきます。
その子その子に合った進路を選択したいものです。
【主な選択肢】
就学後の選択肢は主に以下のようなものがあります。
・普通級
・通級利用
・特別支援クラス利用
・特別支援学校
下にいくほど特別な支援が濃厚になります。
【普通級】
普通級とは文字通り小学校に入学して通常のクラスでみんなと同じ勉強をすることです。
様々な経験や人間関係を積めるのはメリットですが、
勉強についていけるか、人間関係のトラブルはないかなどのリスクもあります。
入学予定の小学校の、
・家からの距離
・クラスの人数
・先生や周囲の障害に対する理解
などが重要になってきます。
また、普通級に入学後も、
勉強がついていけなくなったり生活にトラブルが出てきたら柔軟に通級や支援級を検討することも必要です。
普通級に入学しある学年から支援級に入ることはもちろんありえますし、
その逆もあります。
そのときそのときのお子さんの状況をみて臨機応変に対応することが重要です。
【通級】
通級とは「週に○○回」「1回○○時間」、その子に合った指導を受けるかたちです。
例えば「週に1回、水曜日に3時間」などです。
あくまで日々のメインは普通級で、通級は補足的な程度といった印象です。
概ね普通級でやっていけそうだけど、それだけは不安
といったときの選択肢になります。
また、通級はその頻度の特性から、学校内に通級がない場合は別の学校で通級指導を受ける場合もあります。
ですので、通級を利用するつもりであれば、
入学予定の学校に通級があるのかどうか。
ないのであれば学校から最寄りの通級はどこか、通えるか
などを調べておく必要があります。
【特別支援クラス】
特別支援クラス。支援級とも言います。
学校内で、特別な支援が必要なお子さん達のクラスに所属しそこをメインとして日々の学習や生活をしていきます。
通級が、メインは普通級で過ごすのに対し、
支援級は支援級をメインに過ごすところがポイントです。
日々の学習や活動を支援級で過ごしつつ、体育など状況によって普通級で活動する時間があります。
支援級で勉強しつつ、
時折普通級でも過ごすため普通級のことを交流クラスと言うこともあります。
支援級はその性質上、少人数で構成されています。
【特別支援学校】
特別な支援が必要なお子さんのための学校です。
普通小学校とは別の学校になります。
そのため通級・支援級と比べると普通級のお子さんとの接点は最も少なくなります。
一方で最も濃厚な特別支援教育を受けられる進路でもあります。
普通小学校と比べると特別支援学校は数が少ないので、
自宅から通う場合は送迎が必要なことが多いでしょう。
送迎バスが出ているところもあります。
【どれが適切か】
支援というのはなさすぎても過剰すぎてもいけません。
そのお子さんに合ったものが必要です。
本人さんの気持ち、親御さんの気持ち、保育園の先生の意見、療育機関のスタッフのアドバイスなどから総合的に判断していきましょう。
その中で知能検査の結果や療育手帳の区分も参考になってくるでしょう。
補足記事:療育手帳の区分について
補足記事:未満児、就学児など子供の年齢別の名称