PT・OT・STの違い
理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)。
3つとも医療や福祉、とりわけリハビリ分野における国家資格です。
大きい病院などではリハビリ部門はだいたいこの3職種で構成されています。
理学・作業・言語のリハビリの違いを知る上で、よく使われるのが人の一連の動作を使った説明です。
人が生活をしていく上で、まずは基本動作が必要です。
基本動作とは「立つ」「歩く」「座る」「寝返る」など文字通り基本となる動作です。
この基本動作のリハビリを主に行うのが理学療法士(PT)です。
そして人の生活には基本動作の上に成り立つ様々な作業があります。
自転車に乗る、箸で物をつまむ、字を書くなどです。
このような応用的な動作のリハビリを行うのが作業療法士(OT)です。
さらに、人の生活はひとりで完結するものではありません。そこには人とのコミュニケーションがあります。
人と会話をする、文章を読み取る、話を聞く
このような言語・聴覚に関わる営みに関してリハビリを行うのが言語聴覚士(ST)です。
以下、もう少し詳しく見ていきましょう。
PT・OT・STについて
理学療法士(PT)
理学療法士は先述の通り基本動作のリハビリを主に行います。
基本動作に必要な筋力を増強したり、関節が固まって動かない場合は関節可動域の向上をはかります。
リハビリ職種としては代表的な資格ですし、3職種の中では名前が最も知られているのではないでしょうか。
リハビリ科のある病院においては3職種の中で最も人員が多いのでは。
作業療法士(OT)
応用的な動作のリハビリを行うのが作業療法士。
箸を使ったり、家事に必要な動作を練習したり。
障害を持った人が使いやすい道具を作ったり考案したりするのも作業療法士です。
リハビリ科のある病院では理学療法士に次いで多い職種です。
一方で、自閉症といった発達障害分野では作業療法士の方が多くなりがちです。
放課後デイサービスなどでは作業療法士だけの職場もあるかもしれません。
言語聴覚士(ST)
言語・聴覚に関わる営みに関してリハビリを行う言語聴覚士。
その仕事柄、口を扱うことが多いのでそこから派生して物を食べることのリハビリを行うことも多いです。
「言語聴覚」という字から言葉や聴覚だけのリハビリスタッフと思いがちですが、実際には食事面専門の言語聴覚士が現場にはいたりするなど、医療現場では食事面のリハビリスタッフとしても認知されています。
病院では3職種の中では最も割合が少ない職種ですが、
自閉症といった発達障害分野では理学療法士よりも多く配置されることが多いです。