PECSとは?
「PECS」と書いて「ペクス」と読みます。
PECSとは、コミュニケーションの障害を持った方に対して行う、絵カードを使ったコミュニケーションの支援方法の1つです。
マジックテープで着脱できるようにした絵カードを、リングファイルにあらかじめストックしておきます。
伝えたいことがあるとき、そのファイルの中から特定のカードを着脱し、絵カードで文章を構成して相手に伝えます。
「発達障害」という言葉が世間に広く認知される過程で「PECS」も知られるようになってきましたが、
実際は「PECS」は自閉症に限らずコミュニケーションに障害を持つ方全般を対象にした支援方法です。
PECSの内容
「Picture Exchange Communication System」、頭文字を取って「PECS」です。
日本語では「絵カード交換式コミュニケーションシステム」と訳されています。
絵カードを使ってコミュニケーションを補助します。
こういった技法はAAC(拡大・代替コミュニケーション)と言われ、「PECS」は「AAC」の1つです。
PECSはリングファイルからマジックテープのついた絵カードを着脱する方式で行います。
リングファイルを絵カードを収納する本体とし、
リングファイルの一部を切り取っておき、ここを文章を作る場所として使用します。
例えば「お菓子」の絵カードと「ください」の絵カードを組み合わせれば、「お菓子 ください」という意思表示ができるわけです。
PECSの特徴は、そのやり方や練習過程が非常に厳密に決まっているところです。
多くの絵カードを使ったコミュニケーション方法は、「人による・状況による」ということで良くも悪くもその方法は千差万別なのですが、
PECSは6つのステップから構成されていて、その内容も実に厳密です。
これは、PECSが応用行動分析(人間の行動を分析する心理学の学問)をベースに作られているからです。
PECSの実際
このように、PECSは非常に理に叶った支援方法の1つですが、現場レベルで言えば欠点もあります。
PECSの欠点は、絵カードや専用のファイルを作ったり使うのがめんどくさいという点です。
身も蓋もないですが(笑)
これは専門家がというよりは、親御さん目線でということです。
専門家は仕事なので絵カードだって作り慣れているでしょう。
けれど親御さんの場合は状況が違います。
日々お子さんが成長する中で、必要になる絵カードを作り足し、
ファイルを親御さんないしお子さんが常に持ち歩き、
PECSでのやりとりの方法を学校や放課後デイの先生など、その子が関わる人が理解し・・・
PECSを導入するには、それなりの手間と言うか覚悟が必要であることは明らかですね。
おわりに
PECSに限らず、絵カードを使ってコミュニケーションを支援する際によくある心配が、
絵カードを使うと絵カードに頼ってしまって余計にしゃべる機会が減ってしまうのではないか?
という心配です。
これに対してはPECSからの公式の見解もあるように、
PECSでコミュニケーションを促進することで、むしろお子さんの言葉は増える可能性があります。
絵カードを使ってコミュニケーションをやりやすくすることで、人と関わることやコミュニケーションをとることがより楽しく上手になり、結果として言葉も促されるということです。