1. 推奨グレードの分類一覧
以下が、推奨グレードの分類です。
A:行うように勧められる強い科学的根拠がある
B:行うように勧められる科学的根拠がある
C1:行うことを考慮してもよいが、十分な科学的根拠がない
C2科学的根拠がないので、勧められない
D:行わないよう勧められる
2. 推奨グレードとは?
推奨グレードとは、主に医療業界において、その手技を行うことがどれくらい推奨されるかを表わした目安です。
医療行為を行うにあたってはやはり科学的根拠が必要です。
その科学的根拠の参考になるのが推奨グレードです。
推奨グレードは先述のようにA、B、C1、C2、Dの5段階が主です。
A:強い科学的根拠がある
B:科学的根拠がる
C:根拠がはっきりしない
を意味します。
3. エビデンスレベル
推奨グレードの決定にはエビデンスレベルを参考にします。
エビデンスとは、特に医学分野において「科学的根拠」といった意味で使われる言葉です。
エビデンスレベルとは科学的根拠の高さを表したものです。
推奨グレードにおけるAとは、エビデンスレベルにおける1aあるいは1bの研究があることを示します。
推奨グレードにおけるBとは、エビデンスレベルにおける2aあるいは2bの研究があることを示します。
補足記事:エビデンスとは? ~エビデンスレベルの8段階の分類~
4. まとめ
何か目的があって行動する場合、それの根拠がはっきりしていたほうが目標実現可能性は高まります。
医療においても教育においても科学的根拠はやはり必要です。
科学的根拠はエビデンスレベルと言い、客観的な研究結果の有無がエビデンスに影響します。
エビデンスに基づき、その手技を行うことがどれくらい有意義かを示す目安が推奨グレードです。
推奨グレードは5段階ありますが、手技として参考になるのは上の3段階です。
つまり、
A:強い科学的根拠があり推奨される
B:科学的根拠があり推奨される
C1:科学的根拠は充分ではないが、やってもよい。
このA~C1に該当する手技を主に行っていくことになるでしょう。
逆に下の2つ、
C2科学的根拠がないので、勧められない
D:行わないよう勧められる
はやっていはいけない手技と言えます。
一方で、「推奨グレードA以外はまったく役に立たない」といった極端な考え方にならないようにするのも重要です。
科学は日々進歩するので、エビデンスレベルや推奨グレードも日々変化します。
時代に合わせて情報を集め、古い知識にならないように気をつけていくことが大切です。
5. その他の記事
ICD-10とDSM-5の違いは?ICD-10とDSM-5どっちがいいか?
6. 参考資料
『エビデンスレベル分類・推奨グレード分類』(日本肝臓学会)2018年9月12日検索
『エビデンスレベルと推奨の強さ』(日本緩和医療学会)2018年9月12日検索
『脳性麻痺リハビリテーションガイドライン 第2版』(日本リハビリテーション医学会)2018年9月12日検索
『9.脳性麻痺 理学療法ガイドライン』(日本理学療法士協会)2018年9月12日検索
『脳性麻痺 作業療法ガイドライン』(日本作業療法士協会)2018年9月12日検索
『言語障害に対するリハビリテーション』(日本脳卒中学会)2018年9月12日検索