何歳以上発達が遅れると診断がつく?
診断というものは最終的には医師の判断で行うものなので、厳密には「何歳分発達が遅れると発達障害」と数字で決めることはできません。
しかし子供の発達の遅れはどのくらいまでが「個人差」で、どのくらいからが「顕著な遅れ、障害」なのかというのは気になるところではあります。
目安としては、
実年齢より発達が1歳以上遅れると、診断に至るケースが多いです。
発達の遅れと個人差
県立広島病院の益田慎氏の論文によると、
幼児期は1歳以上、学童期では2歳以上の遅れを認めた場合に言語発達遅滞であると定義されることが多いと述べています。
また各種知能検査や言語検査などにおいても、
一般的に「ボーダーライン(障害と診断されるか微妙なところ)」とされるお子さんの発達年齢は実年齢よりもマイナス1歳前後であることが多いです。
このように、
幼児期については実年齢ないしマイナス1歳分の遅れがボーダーラインとなりがちです。
1歳分の発達の遅れの実際
例えば5歳の子が5歳児相当の発達項目をおおむね習得していれば、発達は年相応と考えることができます。
これが5歳児相当の項目が難しく、4歳相当の項目もおぼつかないとなると要観察になる可能性が出てきます。
発達の遅れが顕著なのか個人差の範囲なのかは、
実年齢よりマイナス1歳分の発達項目が、どのくらいできているかは1つのポイントです。
例えば4歳頃の言語能力としては、
昨日のことの話ができたり、
両親の名前を言えたり、
色の名前を10色以上言えたりします。
こういった傾向が5歳時点でまったく見られない場合は、その子の発達状況をもう少し掘り下げてもいいかもしれません。
おわりに
冒頭でも書いた通り、障害や発達の遅れの診断は最終的には医師の判断によります。
そのため気になる場合はきちんと診察を受けたほうがいいでしょう。
また「〇〇歳で〇〇ができるかどうか」という個々の発達項目だけでその子の発達年齢を出すことはできません。
一般的に発達年齢というものはきちんとした発達検査を行い総合的に算出するので、このあたりも気になる場合は専門家に相談したほうがいいでしょう。
参考資料
『言語発達遅滞とは』(J-STAGE)2018年6月3日検索