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小児や重症心身障害児(者)の嚥下食の分類~「発達期摂食嚥下障害児(者)のための嚥下調整食分類 2018」とは?~

公開日:2019年6月4日


 
 

「発達期摂食嚥下障害児(者)のための嚥下調整食分類 2018」とは?

「発達期摂食嚥下障害児(者)のための嚥下調整食分類 2018」とは、嚥下食における分類方法や考え方の1つです。

日本摂食嚥下リハビリテーション学会によって作成されています。

「嚥下調整食分類2018」と言われたりもします。

「発達期摂食嚥下障害児(者)のための嚥下調整食分類 2018」における嚥下食は主食(ご飯)と副食(おかず)でそれぞれの形態を定義しており、

主食は「ペースト粥」「ゼリー粥」「つぶし全粥」「つぶし軟飯」の4つです。

副食は「まとまりペースト」「ムース」「まとまりマッシュ」「軟菜」の4つです。

 
 
 

「嚥下調整食分類2018」の意義

嚥下食の分類における指針としては「日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013」、通称「嚥下調整食学会分類2013」がたとえばあります。

しかしながら、こういった食事分類は成人の摂食嚥下障害を想定している場合が多く、脳性麻痺や発達障害に伴う重症心身障害児(者)の方への嚥下食としては適用しにくい現状もありました。

「嚥下調整食分類2018」は、発達障害や脳性麻痺など重症心身障害児(者)の方を想定した嚥下食の分類です。

舌の押しつぶし運動を促すような形態など、
摂食嚥下機能の発達および獲得を促しつつも、安全に食べることができるように配慮されている点が特徴です。

 
 
 

食事形態の分類

主食・副食ともに、下にいくほど通常食に近い食事形態になります。
つまり上にいくほど重度の嚥下障害の方むきです。

主食

ペースト粥

ペースト状。

若干の送り込み能力がある方を想定しています。
舌の押しつぶし運動を促します。

ゼリー粥

ゼリー状。

若干の食塊保持能力がある方を想定しています。
舌の押しつぶし運動を促します。

つぶし全粥

離水してないお粥をつぶします。

ある程度の送り込み能力がある方を想定しています。
食塊形成や舌の複雑な動きを促します。

つぶし軟飯

軟らかく炊いたご飯をつぶします。

ある程度の押しつぶしや送り込み能力がある方を想定しています。
歯や歯茎でのすりつぶしを促します。

 
 

副食

まとまりペースト

ペースト状。

若干の送り込み能力がある方を想定しています。
舌の押しつぶし運動を促します。

ムース

ムース状。
粒がなく均一な状態。

若干の食塊保持能力がある方を想定しています。
舌の押しつぶし運動を促します。

まとまりマッシュ

粒があり不均一な状態。

ある程度の送り込み能力がある方を想定しています。
食塊形成や舌の複雑な動きを促します。

軟菜

食材の形が保たれた状態。

ある程度の押しつぶしや送り込み能力がある方を想定しています。
歯や歯茎でのすりつぶしを促します。

 
 
 

おわりに

「嚥下調整食分類2018」においては食事形態が主食・副食ともに4つずつあります。

そして実際の障害児者施設やリハビリテーション場面では、これら4つの食事形態に加えて通常の食事形態や、すくいやすく切り分けた配膳なども想定されますから、

現場では4つ+αの選択肢から食事形態を選ぶことになるでしょう。

 
 
 

その他の記事

 
 
 

参考資料

『発達期摂食嚥下障害児(者)のための嚥下調整食分類 2018』(日本摂食嚥下リハビリテーション学会)2019年5月15日検索

『医療検討委員会作成マニュアル』(日本摂食嚥下リハビリテーション学会)2019年5月15日検索

『『発達期摂食嚥下障害児(者)のための嚥下調整食分類2018』を活用するために』(栄養指導Navi)2019年5月15日検索

『食形態の分類』(栄養指導Navi)2019年5月15日検索

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