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幼児期(0~6歳)の言葉の理解
「言葉の理解」とは「聞いてわかる言葉」のことです。
人間誰しもそうですが、言葉にして言えなくても、聞いてわかる言葉というものがあります。
書けなくても読める漢字があるのと一緒ですね。
幼児期における言葉の理解は、
名詞・動詞・形容詞といった様々な言葉のレパートリーが増えながら、4歳頃から「が・を・に」といった助詞の理解が始まります。
そして5~6歳頃には品詞だけでなく、曜日や日付、季節といった抽象的な概念の理解が進みます。
以下、それぞれを詳しく。
年齢別の発達の特徴と目安
およそ0歳頃
0歳の頃はまずは周囲の音や人の声に反応できるかがポイントです。
具体的には声かけに対して声がする方を向いたり、表情が変わるかなどです。
およそ1歳頃
そして1歳頃になってくると、言葉に対する特定の反応がより具体的になってきます。
- 「ちょうだい」がわかる
- 身体の部分の名前がわかる
- 物の名前を聞かれうと、その絵を指させる
などです。
これらの詳しい判断基準は以下をご参照ください。
およそ2歳頃
2歳になると名詞だけでなく、「大きい・小さい」といった形容詞、あるいは動詞などの理解も増えてきます。
- 動詞がわかりはじめる
- 「大きい」「小さい」がわかる
- 「長い」「短い」がわかる
- 「おへそってどこ?」など体の部分を指させる
- 「形容詞+名詞」がわかる
- 色の名前がわかりだす
およそ3歳頃
3歳になるとさらに理解のレパートリーが増え、文章の理解も進んでいきます。
- 形容詞がいくつかわかる
- 体の部分の名前、簡単なものと難しいものが少しわかる
- 3語文の聞き取り
およそ4歳頃
4歳になってくるとずいぶん会話が成立しやすくなってきます。
- 助詞の理解
- 左右の理解
- 形容詞が複数種類わかる
- 物とその物の関連用語がわかる
およそ5歳頃
そして5歳になると日常に関わる会話ややりとりがずいぶんと親としても楽になってくるでしょう。
- じゃんけんがわかる
- 「受け身文」がわかる
- 位置関係がわかる
- 疑問詞による質問がわかる
- 話の時系列がわかる
およそ6歳頃
そして6歳以降になってくると基本的な文法や日付といった日常に関わる抽象的な概念を理解できるようになってきます。
6歳、あるいは7歳という時期は小学校に入学する時期ですが、まさしく学業を始める土台の言葉の力が身についてくるわけです。
おわりに
子供の発達には個人差があります。
医学的・発達心理学的には上記のように年齢ごとに発達の傾向が明らかにはなっていますが、
必ずしも発達の目安に個人を当てはめる必要はないでしょう。
発達のペースは人それぞれですから、逐一一般的な目安に当てはまるわけではありません。
発達がゆっくりな時期もあれば急速な時期もあります。
大切なのはその子自身が今どのような発達段階でどのような刺激を必要としているのかということです。
あくまで参考に、目安程度になれば幸いです。
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参考資料
『遠城寺式乳幼児分析的発達検査法について』(認知神経科学会)2023年3月18日閲覧