子供がしゃべり始めた頃。小さい頃の発音は稚拙でかわいらしいものです。
しかしながらそれが長く続く場合、状況によっては発音練習が必要になります。
発音練習は適切な時期に行わなければ意味がありません。
補足記事:子供の発音は何歳まで様子を見て、何歳から練習させたほうがいいのか?
【発音の誤りの種類】
子供の発音の練習内容は、子供の発音がどのように誤っているかによって異なります。
発音の誤りには大きく2種類あります。
例えば「アイスクリーム」という単語で考えてみましょう。
1つ目のパターンは、
「あいすくりーむ」が「あすくりーむ」や「あいくすりーむ」などです。
・音の数が合っていない
・音の位置関係が合っていないパターンです。
これを音の認識の誤りとしましょう。
これらは音韻の誤りとも言われます。
2つ目のパターンは、
「あいすくりーむ」が「あいちゅくりーむ」などになるタイプです。
音の数や位置は合っていますが、音の出し方が誤っているパターンです。
発音の誤りには、音の認識の誤りと音の出し方の誤りがあります。
【先に練習するのは?】
音の認識と音の出し方では、
音の認識の誤りのほうがより幼い誤りです。
そのため認識と出し方の両方の誤りが併存している場合は、
音の認識の誤りから改善を試みます。
【Step1.状況把握】
発音練習でまずやることはお子さんの状況把握です。
☑歯並び・口の形・舌の形
発音のために必要な器官にそもそも病変があると練習以前に手術や対応が必要になります。
気になるときは最寄りの歯科や小児科を受診しましょう。
☑聴力
発音練習をするということは、口を使ってしゃべり、耳を使ってお手本の音を聴くということです。
難聴がある場合は練習に少なからず支障が出ます。
聴力の確認は必要です。
補足記事:難聴は、発音にも影響する。
【Step2.発音チェック】
誤り方を把握しないと練習はできません。
まずはお子さんの発音の傾向を見ましょう。
☑50音を言ってみる
☑単語を言ってみる
同じ音でも言える単語と言えない単語があるかもしれません。
例えば同じ「す」でも、
頭につく「スープ」より、途中から出てくる「アイスクリーム」のほうが発音は難しいです。
☑会話をする、文章を話す
長くなればなるほど発音は難しくなります。
単語で言えても会話で言えない場合もあります。
【Step3.誤り方の傾向】
Step2を踏まえた上で、お子さんが音の認識の誤りなのか出し方の誤りなのか、その両方なのか判断します。
両方誤りがある場合は、
同時並行で練習しますが、どちらかというと音の認識の改善を先に解決しましょう。
【Step4.音の認識】
区切っての発音を心がけて練習します。
しりとり遊びなど音を区切ることが前提の遊びをするのも良いでしょう。
補足記事:子供にとって「しりとり遊び」が大切な理由
【Step5.音の出し方】
音の出し方の誤りは、発音練習をしていきます。
出たり出なかったりする音と、全く出ない音がある場合は、
出たり出なかったりする音から取り組みましょう。
得意なものからやったほうが効率的です。
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