様々な異常構音の構音訓練
口蓋裂に伴う器質性構音障害は、基本的には鼻咽腔閉鎖機能不全を改善してから構音訓練を行います。
声門破裂音・咽頭破裂音・口蓋化構音・咽頭摩擦音などについては、鼻咽腔閉鎖機能不全の改善により通常の機能性構音障害の手技を適用できるケースが多いです。
解説
異常構音の特徴
- 声門破裂音
(軽い咳払いのような歪み) - 咽頭破裂音
(カ行によく見られる、浮動性のある異常構音) - 口蓋化構音
(タ行がカ行になるなど構音点が後方になる) - 咽頭摩擦音
(サ行によく見られる、代償的な異常構音)
鼻咽腔閉鎖機能不全が関わる主な異常構音は上記のようになります。
構音障害と鼻咽腔閉鎖機能不全
口蓋裂により鼻咽腔閉鎖機能不全が生じると、呼気が鼻から漏れるため口腔内圧が不足してしまいます。
鼻咽腔閉鎖機能不全により口腔内圧が不足すると、構音時にそれを代償しようとしそれが異常構音につながります。
このため鼻咽腔閉鎖機能不全を改善し、習慣化された代償運動を取り除くことが重要となります。
異常構音へのアプローチの流れ
声門破裂音・咽頭破裂音・口蓋化構音・咽頭摩擦音については、まずは専門医にて口蓋裂および鼻咽腔閉鎖機能不全について診察を受けることがスタートとなるでしょう。
そこで医療的処置が必要と判断された場合、まずは処置を行ってから構音訓練に移ります。
鼻咽腔閉鎖機能が改善されたことを確認した上で、カ行やサ行などの構音訓練を行っていきます。
この際の手技は、おおむね機能性構音障害の訓練プログラムと同様のものとなるでしょう。
構音検査などでその子の構音の状況を整理した後、練習を行っていきます。
例えばカ行の構音訓練を行う場合、基礎となるうがい動作が可能かどうかで練習内容を調整していきます。
サ行については「θ(無声歯摩擦音)」の産出を行い、そこから「s(無声歯茎摩擦音)」へ誘導していきます。
参考資料
湧井豊『構音障害の指導技法-音の出し方とそのプログラム-』学苑社、1992年


