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構音検査法とは?
構音検査の方法はいろいろありますが、最も一般的なのが日本聴能力言語士協会・日本音声言語医学会が作成した構音検査に則って行う方法です。
上記の構音検査は6つの検査内容に分かれており、これらを総合して対象者の構音を把握していきます。
以下、6つの検査内容を見ていきます。
解説
自由会話(フリートーク)
特に話題の指定はありません。
文字通りフリートークをします。
あまり質問口調にならず、できるだけ自然な会話になるよう留意します。
単語検査
カードに書いてある絵の名前を声に出して言ってもらいます。
絵は動物であったり物であったりさまざまです。
50個ほどあります。
基本は自分で考えて言ってもらいます。
どうしても絵の名前がわからないときだけ、復唱するかたちで言ってもらいます。
自由会話と異なり、単語検査はこちらが指定した言葉を言ってもらうので苦手な音が露呈します。
音節復唱検査
音節復唱検査は1文字ずつ復唱してもらう検査です。
「あ」と言ったあとに同じように「あ」と言ってもらいます。
厳密には「きゃ」なども言ってもらうので1文字というと語弊がありますが。
いずれにせよ、単語などまとまりではなく1つ1つの音の確認していくのが音節復唱検査です。
単語では言えてなくても音節復唱では言える場合があるので、その違いに着目します。
被刺激性検査
先ほどの音節復唱検査で言えなかった音を、再度提示し言ってもらう段階です。
検査者の口の動きを見せたり発音の仕方を一旦教えたあとでどう変化するかも見ていきます。
口で説明する。口元を見せる。
これらは発音を行うための刺激です。
被刺激性とは刺激を与えて変化するかということです。
要するに、被刺激性検査とは気をつけさせたり教えたりしてその子の発音に変化があるのか、何をしても言えないものは言えないのかを見る検査です。
文章検査
文章検査は文章を復唱してもらいます。
単語よりも文章になるほうが発音は難しい。
単語検査で言えても文章検査で言えない音がないかに着目します。
構音類似運動検査
例えば「パ」という音は上下の唇を一旦閉じなければ出せない音です。
つまり「パ」を言えるためには前提として口唇を閉じる口腔機能が備わっていなければなりません。
発音に必要な口の動きが備わっているかを見るのが構音類似運動検査です。
音節復唱検査や被刺激性検査でも音が出せなかった場合に行うことが多いです。
構音障害の解説
構音障害とは?
異常構音の種類
音の誤り方の種類
補足記事
参考資料
湧井豊『構音障害の指導技法-音の出し方とそのプログラム-』学苑社、1992年