構造化とは?
発達障害、自閉症スペクトラム障害(ASD)などのお子さんに対する支援方法の一つとして、構造化があります。
構造化はTEACCHなどでも行われる代表的な支援方法の一つです。
構造化とは、
「伝える側が期待していることをわかりやすく伝えるための方法」です。
構造化の意義
当然ながら個人差はあるものの、
発達障害の症状の1つとして、「場面の切り替えの苦手さ」や「場面の把握の苦手さ」があります。
同じ課題内容でも、手順や流れを明確にすることで取り組めることがあります。
同じ課題内容でも、集中できる環境を設定することで取り組めることがあります。
構造化は、その子がより良く物事に取り組めるような環境設定をし、その中で新たなスキルや成功体験を獲得し、成長を促していきます。
具体的な構造化の種類
構造化にはいくつかの種類があります。
空間の構造化
空間を目的に応じて区切ることで、活動の内容を把握しやすくします。
寝室・リビング・子供部屋。
私達も部屋を構造化していると言えるでしょう。
例えばキッチンをさらに構造化するなら、
「洗って濡れた食器を置く場所」、「拭いた食器を置く場所」など分けていきます。
時間の構造化
時間を区切ることで、活動の始まりと終わりを明確にします。
11時~12時:料理
12時~1時:食事
1時~1時半:片付け
といった具合です。
作業の構造化
作業内容や範囲、使う道具を明確にします。
例えばカレー作りなら、
・ピーラーは皮をむく道具。
・包丁は切る道具。
などです。
手順の構造化
単に「カレーを作りましょう」としても、具体的な手順がわかるほうが作業はスムーズに運びます。
・野菜を切る
・肉を切る
・炒める
・煮込む
状況に合わせて、その人の理解度に合わせて手順を構造化していきます。
視覚化
目で見た方がわかりやすいというのは誰もが経験したことがあるでしょう。
構造化においても視覚化することは大切です。
例えば小学校の頃使っていた時間割。
時間割は時間をスケジュール化し、1時間目は国語で2時間目は算数といったように作業内容を構造化しています。
そしてこれらを目で見てわかるように視覚化しているわけです。
まとめ
上記のように、構造化は物理的な側面と精神的な側面がありそのどちらもが必要です。
部屋を用途に応じて分けるのは物理的な構造化ですし、
スケジュールを区切るのは精神的な構造化です。
いずれにせよ、構造化により活動内容を明確にします。
そして、これらを毎回変えるのではなく繰り返すことでルーティーン化します。
構造化による活動内容の明確化とルーティーン化が場面の読みとりや変化に弱いお子さんの支援の鍵となります。