発達障害

自閉症スペクトラム障害(ASD)とフレーム問題

投稿日:2019-10-25 更新日: 2019-10-25


 
 

自閉症スペクトラム障害とフレーム問題

発達障害について考えていく中で、
昨今ブームであるAIの用語である「フレーム問題」という考えがおもしろいなあと感じます。

「自閉症スペクトラム障害」は医療。
「フレーム問題」はAI。
分野が異なる言葉ですが、「人間の認知はどのような仕組みなのか?」という疑問が非常に重要な意味を持つという点で共通点があるのかなと思います。

このため個人的な見解ではありますが、
「フレーム問題」を知ることは発達障害の理解に役立つのではと考えます。

 
 
 

「フレーム問題」について

フレーム問題とは?

フレーム問題とは、「人間のようなロボット」を作ることの難しさを説明した例え話です。

 
 

フレーム問題のお話

指示に柔軟に対応してくれる、人間のようなロボットがいたらいいですね。

そこである博士がロボットを作ってみました。

博士はロボットに、替えのバッテリーを自分で取ってくるように命令します。

バッテリーは洞窟の奥にあり、バッテリーの上には時限爆弾が設置されています。

はたして、ロボットは爆弾を避けて無事にバッテリーを取ってくることができるのでしょうか?

ロボットは洞窟に入ります。
そしてロボットはバッテリーを取ってきましたが、なんと上に乗っていた爆弾も一緒に持ってきてしまい爆発してしまいました。

ロボットは、「バッテリーを取ってくる」という命令は理解できましたが、それ以外の状況を察することができなかったわけです。

博士はロボット2号を作りました。

今度のロボットは、命令以外のことも考えることができるロボットです。

2号が洞窟に入ります。

しかし、2号はバッテリーの目の前で動かなくなりました。

この爆弾をどかしたほうがいいのか。
どかしたらその振動で爆発しないか。
どかしたらそのせいで洞窟の天井が落ちてこないか。
爆弾を持ちあげたら、洞窟の壁の色が変わってしまわないか。

2号は、命令以外のことを無限に考え過ぎて動くことができなかったわけです。

博士は思いました。
「確かに爆弾を動かしたら爆発しないか考えるのは大切だけど、壁の色とかもはや関係ないじゃん」

そこで博士は、命令に関連することだけを考慮するロボット3号を作りました。

3号を動かしてみます。

しかし、3号は洞窟の入り口で止まって動かなくなってしまいました。

3号は、
爆弾を動かしたら爆発しないか考えるのは関係がある。
壁の色が変わるかもというのは関係がない。
というように、

3号は何が命令に関係のあることかを考えだして動けなくなりました。

 
 

フレーム問題の解説

フレーム問題は、私達が普段何気なくやっている行動をいざ言葉にすると非常に難しいことを示しています。

ドラッグストアに入って洗剤を買う。
マクドナルドでハンバーガーを注文する。
洗濯機が動いている間に食器を洗う。

私達は行動する際に、関係があることは考えて、関係がないことは一旦頭の外に出します。

例えば洗剤を買うときに重要なのは「その洗剤の在庫があるか」で、「どのハンバーガーを注文しよう」ではありません。

このように、何かの行動をしようと思ったら、それをするために関係のある枠組み(フレーム)の中で考える必要があります。

フレーム問題は、このフレームを決めることが意外と難しいのだということを教えてくれます。

 
 
 

フレーム問題と自閉症

人にもよりますが、発達障害の場合、情報の処理が苦手だったりします。

周りの雑音が気になったり、物のちょっとした位置にこだわったり。

それらが気になって、今すべきことに集中できなかったり。

今関係があることと、考えなくていいことの、情報の取捨選択が苦手だったりします。

これはフレーム問題と似ていますね。

そしてこれは発達障害に限ったことでもないかもしれません。

私達は初めての場所で緊張したりします。
それは初めての場所でどう振る舞っていいかわからなかったりするからです。

自分が今置かれている状況のフレームがわからないわけです。

そして、その場に慣れた人からすれば、なぜ混乱しているか不思議なくらいかもしれません。

けれど、そのフレームを口で説明するのは難しいわけです。

 
 
 

おわりに

最後になりますが、フレーム問題と自閉症の関係性はあくまで考察です。

「自閉症はフレーム問題が苦手」といった断言をするわけではありません。

あくまで参考程度に。

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