配偶者が発達障害だった場合どうすればいいか?
以前からパートナーがちょっと個性的な人間だなとは思っていた。
ネットやテレビで「発達障害」や「ADHD」「アスペルガー症候群」という言葉を聞いて、その特性を知ると夫(妻)の言動に妙に当てはまる。
そんな経験があるご家庭は少なくないかもしれません。
「パートナーが発達障害かもしれない」と思ったり、それゆえに日々にストレスを感じているならば、
- 医療機関とつながりを持つ
- 自分の趣味を持つ
ということが大切かと思います。
以下、もう少し詳しく。
カサンドラ症候群
パートナーが発達障害であるがゆえに日々のすれ違いが生まれ、結婚生活にストレスを感じそれが精神的あるいは身体的症状として現れる。
こういった状態を「カサンドラ症候群」と言ったりします。
「カサンドラ」とは神話の神様の名前で、予知能力を持ちながらもその予言を誰にも信じてもらえないという呪いをかけられてしまった神様のことです。
カサンドラ症候群とはまさにこの「カサンドラ」という神様の状況が由来で、
発達障害のパートナーを持つ悩みを周囲が共感しにくいという問題があります。
発達障害であっても、結婚してそれなりに働いている場合、第三者からはその人の「発達障害ゆえの特異さ」というのが見えにくかったりします。
ゆえに発達障害のパートナーを持つ人が、結婚の悩みやストレスを話しても周りが理解してくれないという状況に陥りがちです。
カサンドラ症候群の問題は、「パートナーとのすれちがい」と「周囲の無理解」というダブルパンチになりがちである点です。
「カサンドラ症候群」という用語は医療業界では有名な診断基準であるDSMをはじめ、正式には定められていない俗称ですが、発達障害の現場を見ると心当たりのある専門スタッフは多いです。
「相談できる人」と「自分の趣味の時間」
長崎大学の論文などを見ると、例えば
発達障害の子を持つ親のストレスは「相談できる人の人数」と「自分の趣味の時間」が多い人ほど軽減されるそうです。
このような統計を見ると、
配偶者が発達障害であるがゆえのストレスも、「相談できる人」と「自分の趣味の時間」をもつことで多少は軽減できるかもしれません。
そしてここで問題になってくるのが「相談できる人」です。
先述の通り、カサンドラ症候群の場合、相談できる場が少ないことが問題だからです。
「相談できる人」とは2種類に分けられます。
1つ目は「共感してくれる人」。
2つ目は「専門的なアドバイスをしてくれる人」です。
本来なら、専門機関にて医師などに相談できるのがいいのですが、自分自身が発達障害でないため発達障害者として医療を受けることはできません。
そのため工夫が必要で、
医療的に対象になる症状(頭痛など)を発達障害に詳しい医療機関で受診するという方法です。
ここでの頭痛などは正直軽いものでもいいと思います。基本、「痛み」は自己申告なので。
まとめ
発達障害のパートナーを持つがゆえのストレスによって日常生活に支障が出ることを「カサンドラ症候群」と言ったりします。
パートナーが家庭の外ではそこまで特異な人に見えないことが多い点、発達障害なのは自分ではないため医療的診断が使ない点などから、
「カサンドラ症候群」の大きな問題点はそのストレスだけでなく、そのストレスを周りが理解してくれない、あるいは相談できる人がいないことが挙げられます。
しかしながらそのような状況においても、
やはり相談できる人や専門機関とつながりを持つことは大切です。
軽くてもいいので身体的な症状や精神的ストレスがあるなら、医療機関に行ってみて、ご家庭の悩みを打ち明けてみましょう。
場合によっては、発達障害に詳しい医師や専門スタッフのカウンセリングを受けられる窓口を紹介してくれるかもしれません。
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参考資料
『発達障害児家族の障害受容』(長崎大学学術研究成果リポジトリ)2019年2月16日検索