療育はいつ終わるべき?
発達障害児などが通う療育は、始まったら始まったでいつ終わるべきなのかと迷うものです。
一般的に「障害」は「治る」「治す」ものではありませんから、発達障害の特性とはうまく付き合っていくことが必要になっていきます。
そういった背景の中で、はたして専門家と共に行う療育に終わりはあるのでしょうか?
「療育」を行うことで「発達障害」が「治る」わけではありませんから、
発達障害児の療育に明確な終わりはありません。
一方で、一生その子が療育センターに通うわけにもいきません。
十人十色の発達障害の特性の中で、その子なりの療育の「区切り」を見つけていくことになります。
解説
その子なりの療育の区切り
医学的にも倫理的にも、発達障害の療育に終わりを見つけることは難しいでしょう。
療育を行うことで発達障害が治るわけではありませんし、
専門家の支援が
誰に必要で
誰に必要でないか
を決めることは倫理的に難しい判断です。
そのため多くの療育施設では、便宜的に療育の終了基準を設けていることがほとんどです。
「幼児期まで」や「小学校2年生まで」といった具合です。
そうしなければ利用者が溢れて新規を受け入れることができないからです。
一方で、家族としても、現実的には一生療育に通うことは難しいでしょう。
終わりのない療育に対して、家族なりに目標を持って取り組みその子なりの区切りを見出せることが充実した療育には必要です。
つまり漠然と「発達を伸ばしたい」ではなく、
「ここまでできるようになりたい」とか、
「ここを練習したい」
という目的意識を持つということです。
療育の目標と終了
療育の目標はそれぞれですが、年齢によってある程度目標が絞られてくる部分もあります。
例えば幼児期のは学習の習慣化やコミュニケーションの芽生え、言語発達の促しや巧緻動作の獲得などまさに発達を促すことが目標になることが多いです。
その一方で小学生、つまり学童期はまた違った状況になってきます。
学童期になると学習の場は本格的に学校に移行します。
勉強時間が療育より圧倒的に学校のほうが長くなります。
こういった中で学童期の療育は学習支援やソーシャルスキルの学習に移行していくでしょう。
学習支援とは、保育園の頃には少なく学校になって明らかに増える読み書きに関する学習の支援などです。
ソーシャルスキルとは学校生活の中でより複雑になっていく人間関係・友達関係についての学習です。
このように、あくまで一例ですが子供の年齢によって環境も変わり、療育の位置付けも変化していきます。
療育施設に「切られた」にならないように
療育に対してはやはり目標を持って行なっていきたいものです。
そうでなければ時間はあっという間に過ぎ、然るべき時期に施設側の終了基準に準じて「療育施設に切られた」ようなかたちになってしまいます。
目的的に療育には通う必要があるでしょう。
その一方で、無理に「療育を終わらなければ」と焦る必要もないのだと思います。
その年齢その年齢で、悩んだり迷ったりすることはあります。
いつでも相談できる場所があるということはその子にとっても親御さんにとっても大切なことです。
そのため、ダラダラ通うことはいけませんが、
本当に必要であると感じるなら、施設側が許す限り療育センター(専門家)と繋がりを持つということも有意義だと思います。