発達障害とミニマリストという概念の親和性
「発達障害」と「ミニマリスト」とは本来関係がない別々の概念です。
ですが、
「発達障害」と「ミニマリスト」という考えは相性がいいのではないかとも思ったりします。
もちろん発達障害と一口に言ってもその様相は様々で、人にもよるのでしょうが。
いずれにせよ、
物を少なく厳選し、
シンプルで快適な生活を目指すミニマリストの思考は、
過剰な情報の中で切り替えができない・集中できない発達障害の人のライフスタイルと相性がいいのではと思います。
選択肢が多すぎると疲れてしまう
そもそも人は何かを選択するたびに、脳に負荷をかけます。
たくさんの意思決定を連続でしないといけないことはストレスで、俗に「選択疲れ」と言ったりもします。
家の中に物が多いとそれだけ情報が溢れ、
選択疲れを起こしやすくなります。
また物が多すぎると一目で部屋に何があるかを把握しにくくなるため、見通しも立てにくくなります。
なんでもかんでも新しい意思決定ばかりしていては、
ストレスが溜まってしまいます。
人は誰しも習慣やルーティンにより自然に生活を送れる時間が必要です。
ミニマリストは物を少なく厳選するので、
こういった選択疲れを防止し生活の見通しを立てやすくすることに貢献してくれます。
反復的行動での安心感
寝ても覚めても変化がない生活は、
退屈と感じる人もいるでしょう。
しかしその一方で、
同じことを繰り返せる・習慣を守れることに安心感と快楽を感じる面が人にはあります。
自分が丁寧に選び取った物で作られていく生活に、
ある種の達成感を感じることもあるでしょう。
見通しの立てやすさや
自分のルーティーンを守れることから
心地良さを感じることもあるでしょう。
それは誰にでも大なり小なりある人間の欲求です。
一方で、発達障害の気質がある場合、
人によってはそういった「見通し」や「ルーティーン」がより大きな意味を占めることがあります。
そういった背景の中で、
物を少なくし生活をシンプルにするミニマリストのライフスタイルは、
ある種の行動療法につながるのではないでしょうか。
おわりに
ミニマリストというと物が少なければ少ないほどいいと誤解されがちです。
しかし実際は
ミニマリストは自分に合った物を厳選し、
過多な物や情報から距離を置くことに意義があります。
なくなると生活できなくなるほど物は手放さなくていいわけです。