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吃音と構音障害
吃音とは、音や言葉が頻繁に繰り返される・長くなる・一時停止するなどリズミカルな話し言葉が阻害されることです。
構音障害は音声や発語に関する障害を指し、やや定義が広いです。
一般的に吃音と構音障害を比較して述べる場合、吃音は「発達性吃音」を、構音障害は「機能性構音障害」を指すことが多いです。
発達性吃音とは2~4歳頃に発症する脳血管障害などに由来しない吃音です。
機能性構音障害はこちらも脳血管障害や口腔の形成などの疾患に由来しない構音障害です。
発達性吃音がリズミカルな発話を阻害するのに対し、機能性構音障害は主に音の置換により不明瞭な発話を呈します。
解説
吃音と構音障害の合併
幼児の吃音において構音障害はおよそ3分の1の割合で合併すると考えられています。
吃音と構音障害の原因
発達性吃音と機能性構音障害に関しては、脳卒中などの疾患が原因ではなく、幼児期にきっかけなく発症します。
逆に脳卒中などが原因で起こる場合は吃音では「獲得性吃音」、構音障害なら「運動障害性構音障害」と別の分類になります。
吃音と構音障害の違い
発達性吃音は症状の程度に波があります。
機能性構音障害は音の置換は基本的には一定しています。
発達性吃音はトレーニングをしても実生活で改善することは難しいです(トレーニング効果が日常に波及しない)。
機能性構音障害は適切なトレーニングは改善効果が期待でき、完治することもあります。
吃音がある子に構音訓練をしていいのか?
音を意識させる内容上、構音訓練をしていると吃音症状が出て練習を続けるか迷うケースがあります。
中・長期的には吃音があっても構音訓練は実施したほうが望ましいです。
吃音があっても構音が改善することで、トータルとして発話の明瞭さが向上するからです。
しかしながら、吃音の症状があまりにもひどい日や期間は練習を控えるのも1つの選択です。
吃音は時期によって変動もあるので、構音訓練は練習するタイミングを見計らいながら行います。
補足記事
参考資料
『吃音』(ICD-10)2018年7月15日検索
『吃音症の遺伝学』(日本小児耳鼻咽喉科学会)2021年11月20日検索