子供の発音練習についてです。
発音練習のことを医学的には構音訓練と言ったりします。
前回までで「さ・す・せ・そ」の音をマスターしました。
前回の記事:「さしすせそ」(サ行)の発音練習(5)
今回は「し」の音について考えていきます。
「し」の音ってどんな音?
「し」の音は「さすせそ」に比べて舌が少し後ろに下がる音です。
「し」は音声学的にはどちらかというと「さすせそ」より「しゃしゅしょ」の仲間になります。
舌がどの位置で上がるかで音は変わりますが、
「し」の場合は歯のすぐ後ろ、硬口蓋(こうこうがい)の部分になります。
「さすせそ」より舌を後ろにして上げる感覚で空気を出していきます。
「し」の音の練習方法
基本は「す」やその他の音の練習と一緒です。
・聞き分けの練習
・単発の音
・単語
・文章
の過程で進めていきます。
練習のポイント
先述の通り「し」の音は「さすせそ」に比べて舌が少し後ろに下がる音です。
そのためこれまでのサ行の音である「さ・す・せ・そ」とは舌の動きが微妙に異なります。
「さ・す・せ・そ」と同じ舌の感覚でやっていては少し難しいかもしれません。
同じサ行の音として大雑把に考えず、「し」の正しい構音方法を習慣化していきましょう。
また、「さ・す・せ・そ」と「し」は似ているけれどちょっと違う音だからこそ、これらが近いところにある単語は比較的発音が難しい。
例えば「さしみ(刺身)」。
お子さんによっては「しゃしみ」などになってしまうかもしれません。
「さ・す・せ・そ」と「し」をしっかり区別して発音できるように目指します。
まとめ
以上でサ行の音の完成です。
このあとは苦手な場合は「しゃしゅしょ」など適宜他の音もやっていきます。
机上の練習と日常会話では状況が異なります。
日常会話で音が変わってしまう場合は、文章練習などを反復していきましょう。
本人の意識も重要です。
また気をつける点として、
音が出たからといってぱったりと練習をやめるより、時々復習しながら様子を見ていきましょう。
せっかく発音が身についても、急に練習をやめると前の状態に戻ることもありえなくはないので。
しっかりと習慣化していくことが大切です。