構音の解説

「さしすせそ」(サ行)の発音練習(5)~「さ」「せ」「そ」の練習~

公開日:2017年6月14日

子供の発音練習についてです。
発音練習のことを医学的には構音訓練と言ったりします。

前回まででサ行における「す」の音が一通り出せるようになりました。

前回の記事:「さしすせそ」(サ行)の発音練習(4)

ここからは残りのサ行の音の練習です。
 
 
 

波及している

 
サ行の中でも比較的はじめに取り組みやすい「す」。

「す」の音がある程度出せるようになる頃には、
他の「さ・し・せ・そ」もある程度出せるようになっていることが多いです。

「す」の練習が他の音にも影響しているのですね。

そのため2つ目以降の音は最初の音より習得期間は短くて済むことが多いです。
 
 
 

「さ」「せ」「そ」

 
何度か書きましたが、同じサ行でも
「さ・す・せ・そ」と「し」は微妙に発音の仕方が異なります。

そのため、
「す」のあとに練習する音としては「さ」「せ」「そ」いずれかの音の方が効率的です。

「さ」「せ」「そ」のどれにするかは、お子さんの様子を見て、一番出しやすそうな音から取り組むといいでしょう。

特にどれとない場合は、「さ」などから始めてもいいかもしれませんね。
 
 
 

練習の注意点

 
先ほど書いた通り、
「す」など一つの音が出るようなるとその過程で他の音もある程度出るようになることが多いです。

気をつけるべきは、
ここで欲張って複数の音を同時に練習してはいけません。
あくまで一歩ずつ。その子の無理のない範囲で。

「す」を練習したあとに、「さ」に移るのなら、
「す」と「さ」の音だけに気をつけます。
まだ「せ」や「そ」が言えなくても追求しなくてOK。

ここで欲を出して練習が多方向になり、お子さんが話すことが嫌になっては本末転倒です。
 
 
 

練習(1)

 
まずは音の聞きわけが前提になります。
例えば「さ」が「ちゃ」になるなら、しっかり区別ができるよう耳を鍛えていきます。
やり方は「す」のときと同様です。

そして実際の発音ですが、
「さ」などの音が全く出てない場合は
「す」のときの舌の運動を参考に練習していきます。

もし「す」の練習の波及効果ですでに音が出つつあるならここはとばしてOKです。

具体的には、
・舌を平らにする練習
・舌を平らにしたまま空気を出す練習
・これらを安定し、母音とつなげていく
 
 
 

練習(2)

 
以下の練習も「す」のときとほぼ一緒です。
内容は類似しますが、「す」の影響でいずれの練習も比較的期間は短くて済むことが多いでしょう。

まずは単発で安定して言えるようにしましょう。
「さささ・・・」など。
 
 
 

練習(3)

 
次に単語です。
単語もそれぞれ難易度があるので配慮しながら行いましょう。

補足記事:苦手な音がどこにくるかで発音の難しさは変わる
 
 
 

練習(4)

 
単語ができたら文章へ移行します。
はじめは2語文くらいから、徐々に長くしていきます。

お子さんが字をある程度の速さで読めるなら、音読も効果的でしょう。
 
 
 

練習(5)

 
早口言葉を言ったり、
文章を速く言ったりしましょう。

スラスラ言えるように慣れていきます。
 
 
 

練習(6)

 
これまで練習した「す」と
いま練習した「さ」を混合させていきます。

「さとうとスイカ」
「さめたスープ」
など単語の組み合わせでの短いものからはじめ、

「さっさとすませます」
「さらさらすべすべのおはだです」
など徐々に長くしていきます。
 
 
 

練習(7)

 
充分に混合した文章を言えたら2つ目の音の練習終了です。
同じ流れで3つ目、4つ目と段階を踏まえて進んでいきます。

こうして「さ・す・せ・そ」の音をマスターしていきます。

続きは次回に。

次の記事:「さしすせそ」(サ行)の発音練習(6)

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