「おやつ」が「おやちゅ」になる。「おさかな」が「おちゃかな」になる。
子供のあどけない発音はかわいいものですが、それと同時に子供の発音の上達も親の関心ごとの一つでしょう。
一般に日本語の音の発音は5歳前後に出そろいます。
補足記事:子供の発音は何歳で完成するのか?
適齢期を過ぎてもあきらかに滑舌が稚拙な場合は発音の練習を検討することになります。
どの音が苦手かによって発音の練習方法は異なりますが、
発音にはいくつかの共通点があります。
補足記事:子供の発音は何歳まで様子を見て、何歳から練習させたほうがいいのか?
例えば「さしすせそ」つまり「サ行」が苦手な子がいたとしましょう。
苦手といってもそのパターンは2種類あります。
ひとつはまったく「サ行」の音が出ていないパターン。
もうひとつは「サ行」が出たり出なかったりするパターンです。
ここでポイントなのは、
発音は同じ音でも何を言うかで難易度が異なるという点です。
難易度が低い順から高い順に書くと、
1.「さ」など単独の音
2.「さい」など次の音が母音である単語
3.「さかな」など他の子音も入る単語
4.「さかなをたべる」など文章
5.「さかさまのさかな」など早口言葉
6.意識せずに話すフリートーク
となります。
苦手な音がまったく出ていない場合はその音の基礎練習から始めますが、
音が出たり出なかったりしている場合はその子がどの段階まで音を出せているか確認する必要があります。
単語の難易度には原則があります。
例えば「さ」が苦手な音だとして、苦手な音が
「さかな」など最初につく単語は一番簡単です。
「うわさ」など最後につく単語は次に難しいです。
「とさか」など間につく単語が一番難しいです。
また、これはどの音かにもよりますが、間違いやすい音が隣接していると難しいです。
例えば「かみのけ」が「たみのけ」というように「か」が苦手な子がいたとして、
その子は「か」が「た」になっています。
ですので「かたたき」など「か」と「た」が隣り合っている単語は滑舌が混乱しやすく難しいでしょう。
苦手な音がまったく出ていない場合は、まずは口の体操からの基礎練習です。
基礎練習が終わり、音が少しずつ出せるようになると
単独を音の練習がはじまります。
ここでのポイントはいろいろな言い方をできることです。
・「さ」と普通に言う。
・「ささ」と複数回言う。
・「さ~♪」と抑揚をつけて言う。
・「さっ」と速く言う。
いろいろな言い方で言えるようになります。
母音は日本語の発音の基礎です。
「さい」「さお」など母音がつく単語は比較的簡単でとっつきやすい単語です。
先ほどの単語の難易度の通り、「さい」より「あさ」のほうが難しいなど音の位置によって難易度は変わります。
単語がなくても、
「さあ」「さい」「さう」「さえ」「さお」
「あさ」「いさ」・・・・
など母音を一通りくっつけて発音できるようになることは練習としては大切です。
なれたら「あさい」「いさお」など苦手な音を間にしましょう。
単語も同様に苦手な音の位置を上達によって変えていきます。
また先述したように間違えやすい音が隣り合うと難しいので、しっかり簡単な単語が言えるようになってから取り組みます。
単語が卒業できたらいよいよ文章です。
最初は「さかなをたべた」など短いもので。
場合によっては「さかなたべる」などはじめは助詞を抜いてもいいかもしれません。
そうやって徐々に文章を長くしていきます。
お子さんが流暢に字を読めるなら、読みながら発音してもいいかもしれません。
耳だけでなく目も使うことで、出すべき音をイメージしやすくなります。
文章がほとんどできあがるとほぼほぼ発音は完成です。
しかし、意識して発音する練習場面と無意識で発音する日常生活は異なるものです。
ふとした拍子に発音が戻ることもあります。
日常生活おいては本人の心がけ次第なところもあるのでなかなか難しいところです。
まずは早口言葉などで少なくとも練習場面では楽にすらすら言えるように土台を作ります。
フリートークでも発音がきれいに保てれば卒業でしょう。
フリートークであきらかに音が戻る場合はこれまえの1~5までのステップのできていない部分を復習していきます。
その他の記事:子供の発音の練習の仕方