発音のことを医学的に構音と言います。
発音の練習をすることを専門的には構音訓練と言ったりします。
「かきくけこ」の構音訓練についての続きです。
前回の記事:カ行の発音練習(4)~単語の練習~
「か」がどの位置にあっても上手に単語を発音できるようになってきたら、文章練習も少しずつ入れていきます。
文章練習の最初としては、修飾された単語や2語文でまず練習していきましょう。
修飾された単語とは、
「おおきいかい(大きい貝)」
「ないたかお(泣いた顔)」
「あかいえんぴつ(赤い鉛筆)」
などです。
練習している音を複数回発音する状況を作ったりもします。
「あかいおかし(赤いお菓子)」
「かれーのかいもの(カレーの買い物)」
などです。
さらに2語文へ移行します。
「かにをたべる」
「せなかをかく」
「かみをきる」
などです。
これらをできるだけいろいろなバリエーションで言えるようにしていきます。
問題のバリエーションに困ったら、
「いかとかい」
「かめとせなか」
など単純に単語を複数言ってもいいでしょう。
修飾された単語や2語文に慣れたら、
今度は短い文の練習に移行します。
「あかいおかしをたべます」
「かめがちかくにいました」
「かんたんなえをかみにかきます」
などです。
短文に慣れたら次は長文です。
「かにといかをかいにいきました」
「おかあさんにせなかをかいてもらいました」
「かめらでせかいじゅうのしゃしんをとりたいな」
などです。
当たり前の話ですが、
文章が長くなると覚えきれずに言えないお子さんもでてきます。
発音ができなくて言えないのか、
文章を覚えきれずに言えないのか
周りの大人が見極めてあげないといけません。
これは大人が言った後に繰り返してもらう復唱でも同じです。
最初は不慣れで長文が復唱できないことは多々あります。
地道に少しずつやっていきましょう。
ただしあまりにも長期間、長文ができない場合は発音以前に記憶力や集中力の問題である可能性もあります。
年長さん前後で3~4語文の文章の復唱が何回やっても長期間にわたってできない場合は、保育園の先生や専門機関に相談するのもひとつの手かもしれません。
ここまでくるとあとは応用練習です。
日常においても「か」がちょこちょこ出てきている状況です。
長文がスムーズに言えたら早口言葉などの応用でより盤石にしていきます。
「からからかっぱのかわのぼり」
「ぴかぴかてかてかカーキャリア」
など「か」が非常に頻繁に出てくる題材でやっていきます。
文章を復唱したり一緒に行うのが「練習」とすれば、
日常会話は「本番」です。
「練習」でできないことは「本番」でもできませんが、
「練習」できるからといって必ず「本番」でできるというわけでもありません。
日常会話で言えるようになるには、
練習場面で簡単すぎて退屈なくらいに熟達する必要があります。
その一方で、日常会話で音が間違った際に、
頻繁に注意したり叱ることはNGです。
会話が楽しくなくなってしまっては本末転倒。
日常会話ではまず楽しく会話し、言葉をたくさん出すことが大切です。
「いま上手だったね」
「練習してるからどんどん音がきれいになってるね」
日常会話においては叱る・注意するといった「ネガティブな指導」ではなく、
褒める・がんばったことで上手になったという自信の気づきといった「ポジティブな指導」を心がけましょう。
これでカ行の「か」の音はおおむね練習完了です。
次に別のカ行の音を取り組んでいきます。
次回に続きます。
次の記事:カ行の発音練習(6)~ 「か」の次の練習~
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