構音の解説

ストローを使ったサ行(さしすせそ)の練習方法|子供の発音練習(構音訓練)

公開日:2020年5月18日


 
 

ストローを使ったサ行の練習

サ行、つまり「さしすせそ」は日本語の中では比較的難しい音です。

そのため
発音が身につく途中の幼児期のお子さんはサ行が言えないことが多々あります。

状態は千差万別ですが、
おおむね「さかな(魚)」が「たかな」、
つまりタ行になってしまう場合が多いです。

発音は言語学や医学的には「構音(こうおん)」と言われます。

発音練習を専門的には「構音訓練」と呼び、
病院などで行われるリハビリの分野の1つでもあります。

病院などの専門機関で行われる構音訓練において、
サ行の発音練習はストローを用いた方法がよく行われます。

 
 
 

サ行の発音練習にストローを使う理由

当然ながら、
声は口の動かし方の違いにより様々な音になります。

例えば唇をくっつけると「ぱ」という音が出せます。

唇をつけないで「ぱ」を出そうとしても難しいことは、やってみるとわかります。

「ぱ」は唇を使った音なわけですね。

ではサ行はどんな音でしょう?

サ行の音は舌の先端を使う音です。

舌先を上げることでサ行の音を出せます。

しかし力が入りすぎ、
舌先が上の歯に接してしまうとタ行の音になってしまいます。

サ行の音の発音には、
舌先を上げるけれども上の歯につく前に止めるという微妙な力加減が必要になってくるわけです。

サ行の発音には舌先と上の歯の間に小さな隙間を作ります。
この隙間をストローを使って強制的に作るのがサ行のオーソドックスな練習の1つです。

 
 
 

ストローを使ったサ行の発音練習の方法

まずは舌先と上の歯でストローを加えます。

その状態を保ったまま、
ストローから息を出します。

感覚としては、
口全体の空気が細いストローから窮屈そうに出てくるイメージです。

実際サ行の音は音声学的には「摩擦音」と呼ばれます。

空気が細い経路から出るために生じる摩擦が、サ行の音の正体です。

舌先と上の歯で加えたストローから、
こすれるような空気の流れを出していきます。

これができるようになったら、
今度はストローなしでこの摩擦する空気を出せるようにします。

つまり舌先と上の歯で細い空気の経路を作るわけです。

ストローなしでできるようになったら、今度は声も一緒に出します。

摩擦する空気を出しながら、
同時に「う」と声を出します。

上手にできれば「す」が言えます。

オーソドックスな練習としては、
サ行の音をストローを使って練習する場合、
「す」の音から始めることが多いです。

唇を尖らせるような「う」の動きと、
細い息を出そうとするサ行の動きが似ているからです。

「す」の音をしっかりマスターしてから、ほかの音の練習に移っていきます。

個人差はありますが、
サ行の音のうち1つを出せれば、
コツをつかんであとの音はストローを使わなくても出せることが多いです。

 
 
 

おわりに

以上のようにかなり端折ってサ行の練習とストローの関係を書きました。

実際の練習はもっと細かいステップがあります。

そのため実際に練習をする場合は
下記の記事や専門書を読んだり、
専門家のアドバイスなどを踏まえたほうがいいでしょう。

 
 
 

その他の記事

 
 
 

参考資料

-構音の解説

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