異常構音とは?
異常構音とは、音の作り方の誤りによって生じる一般的でない発音(障害音)のことです。
構音(こうおん)は発音の医学的用語で、構音が異常でそれが習慣化している状態を構音障害と言います。
構音障害は口蓋裂など口腔器官の形成不全に伴う「器質性構音障害」、脳卒中の後遺症といった脳神経に関わる「運動性構音障害」、こういった疾患がなくおおむね構音習得の誤りや発達の遅れに伴う「機能性構音障害」などがあります。
特に機能性構音障害は適した時期に適切なトレーニングを行えば改善の可能性が比較的高く、適切な頻度・内容のトレーニングは重要です。
「ことばの教室」などで発音のトレーニングを行っている幼児・児童は少なくないでしょう。
適切なトレーニング・指導のためには、異常構音の種類やそれらの背景・特徴を知ることが重要です。
異常構音はその様式によりいくつか種類があり具体的には以下のようなものがあります。
- 側音化構音
- 鼻咽腔構音
- 口蓋化構音
- 口蓋裂などに伴う声門破裂音
- 歯間音化構音
以下、異常構音の種類や特徴をそれぞれ見ていきます。
異常構音の種類
側音化構音
鼻咽腔構音
口蓋化構音
声門破裂音
口蓋裂に伴う障害音として見られる場合がある、軽い咳払いのような音です。
例えば「か(ka)」について「k」の音が全く発せられず、強い「a」のみで表現されるような場合です。
聞き慣れない人にとっては「ka」と判別がつかない場合もあります。
「k」「t」「p」「tʃ」「ts」など無声音によく見られます。
歯間音化構音
歪んだ歯茎音です。舌の位置が歯茎ではなく上下の歯の間に挟んでいるため起こります。
サ行の音に比較的見られます。
また構音様式が外側から見えるのでわかりやすい異常構音の1つと言えます。
構音障害とは?
参考資料
湧井豊『構音障害の指導技法-音の出し方とそのプログラム-』学苑社、1992年