前々回でサ行に必要な舌の動きと空気の出し方の練習をしました。
前回では「す」単発での練習を行いました。
前回の記事:「さしすせそ」(サ行)の発音練習(2)
そして、より実践的な「す」の音の練習にうつっていきます。
まずは単語での練習です。
単語の練習のうち、
最も簡単なのは練習している音がはじめにつく単語です。
例えば「す」なら、
・すいか
・すみれ
・スープ
などです。
いろいろな「す」がつく言葉を、スムーズに言えるようにしていきます。
次のステップは、「す」が最後につく単語です。
・いす
・アイス
・なす
などです。
次のステップは、「す」が前後以外につく単語です。
単語の中ではこれが一番難易度が高いです。
・アイスクリーム
・ポスト
・くすり
似たような文字数、似たような「す」の位置であっても難しい単語というのがあります。
単語の難しさは個人差がありますが、一般的には以下のようなものがあります。
間違った音が近くにある単語
「す」が「ちゅ」、つまり「さしすせそ」が「たちつてと」に近い音になっているお子さんの場合、
「さしすせそ」と「たちつてと」の音が近くにある単語は難しい単語です。
例えば「スツール」、「クリスマスツリー」、「テスト」など。
口の動きが広範囲になる単語
「す」は舌先を動かす音です。
一方で、「かきくけこ」は舌の奥の方を使う音です。
そのため、
サ行とカ行の音が混ざった単語は舌の動きが前後に広範囲におよびます。
例えば「カステラ」、「スケート」などです。
他には、「ぱぴぷぺぽ」は唇を使う音です。
パ行の音は唇を一回閉じないと出せない音だからです。
「か」や「た」や「さ」は口を開けたままでも出せますよね。
そのためパ行とサ行では唇と舌という違った場所を瞬時に使い分けないといけないので、子供さんによっては苦戦する場合があります。
具体的には「ポスト」「パスタ」などです。
例えばサ行の音が苦手だった場合、
「せんすいかん」という単語は「せ」と「す」で苦手な音が2種類入っています。
他にも「す」と「つ」が上手く言えないお子さんなら、
「スカイツリー」も苦手な音が2種類ある単語でしょう。
発音練習で大切なのは、
苦手な音の練習は一つずつ丁寧に行うこと。
一気に複数の音を練習しようとしないこと。
もし今、お子さんと「す」の音の練習をしているなら「す」の音をしっかり発音することに力を注ぎます。
「せんすいかん」の「せ」の音が出ないのは目をつむります。
「せんすいかん」の「せ」と「す」両方に気を配るのは、
「す」の音の練習と「せ」の音の練習の両方が終わってからです。
もちろん自然と出るぶんは構いません。
一度に苦手な音を2つも3つも要求しては子供がつらくなるということです。
ということで「す」の単語の練習はここまで。
次から徐々に応用練習になっていきます。
次回へ続く。
次の記事:「さしすせそ」(サ行)の発音練習(4)