発音のことを医学的に構音と言います。
発音の練習をすることを専門的には構音訓練と言ったりします。
個人差はありますが、
日本語において「さしすせそ」つまりサ行の音は最も発音が難しい音とされています。
「さしすせそ」の構音訓練についての続きです。
前回の記事:「さしすせそ」(サ行)の発音練習(1)
下唇のぽてんとのせる感じで舌を平らに脱力する。
その状態を維持できることがサ行の発音のための第一歩です。
この「舌が平らな状態」を維持しながら口の中心から息を出します。
唇の形を変えず、舌と上の歯で空気の通り道を細く作ります。
唇を使うと「フーッ」という息が出ますが、
平らな舌と上の歯で作ると「スーッ」という音が出ます。
この「スーッ」という音を「空気がこすれている音」としましょう。
「す」はローマ字で書くと「su」です。
つまり「す」は「s」という発音と「u」という発音をほぼ同時に行う音です。
「u」はまさに日本語の「う」です。
では「s」はどんな音でしょう?
「s」とは「空気がこすれている音」です。
はじめは前回の復習です。
「空気がこすれている音」である「s」を安定して出せるようになります。
「s~」と伸ばして言えたり、「s,s,s,」と連続して言えるようになりましょう。
「s」になれたら、今度は「う」と合わせていきます。
「s~~~」と伸ばしてそのあとに「う」と言います。
「s~~~う」といった感じ。
「s~~~う」安定してできるように。
「s~~う」少し短くして
「s~う」さらに間隔を短く。
「sう」ぎりぎりまで短く。
そしてほぼ同時に言いましょう
「す!」
ほら、言えました。
実際は何回も練習して少しずつ言えてくるのであせらずあわてずに。
「す」が出せるようになったら、より安定して出せるようになりましょう。
「すすす」繰り返してみたり
「すーー、すーーー」伸ばしてみたり
「すーすすすー」いろいろ組み合わせたり。
その他、速くしたり遅く言ったり。
いろいろなバリエーションで言えるようになりましょう。
「す」が単発で上手になったら、いよいよ他の音と組み合わせます。
音はそれだけ言えるようになっても実用的ではありません。
会話をするとき、私達は様々な音を連続的に言っているからです。
まずは簡単な母音と組み合わせていきましょう。
補足記事:「あいうえお」(母音)の発音の仕方
「す、あ」というように「す」と母音を言っていきます。
「す、い」、「す、う」、「す、え」、「す、お」
慣れたら速くします。
「すあ」、「すい」、「すう」、「すえ」、「すお」
今度はひっくり返します。
はじめはゆっくり、次第に速く。
「あす」、「いす」、「うす」、「えす」、「おす」
最後は母音で挟みます。
「あすあ」「いすい」「うすう」「えすえ」「おすお」
これらを安定して明瞭に、様々なスピードで言えるようにしていきます。
なぜ前後や真ん中に「す」を挟むのかは以下を参照ください。
補足記事:苦手な音がどこにくるかで発音の難しさは変わる
ここまでが「す」の音の単発レベルでの練習となります。
続きは次回に。
次の記事:「さしすせそ」(サ行)の発音練習(3)