発音のことを医学的に構音と言います。
発音の練習をすることを専門的には構音訓練と言ったりします。
「かきくけこ」の構音訓練についての続きです。
前回の記事:カ行の発音練習(3)~「か」単発の音の練習~
発音に限らず勉強や練習はそれを習得するためには段階が必要で、いきなりゴールとなる内容を練習しても難しい。
発音においてのゴールは「日常会話で自然に発音ができること」
かといっていきなり日常会話での練習をしても効率が悪いわけです。
前回までで「か」単発の音の練習をしました。
そして次が「か」のつく単語の練習になっていきます。
単語の練習もうがいの練習同様、段階を踏んでいきます。
単語の練習のうち、最も簡単なのは練習している音がはじめにつく単語です。
このあたりの理屈は以下をご参照ください。
補足ページ:苦手な音がどこにくるかで発音の難しさは変わる
例えば「か」なら、
・かみ
・かいもの
・かわ
などです。
いろいろな「か」がつく言葉を、スムーズに言えるようにしていきます。
次のステップは、「か」が最後につく単語です。
・いか
・おなか
・ろうか
などです。
次のステップは、「か」が前後以外につく単語です。
単語の中ではこれが一番難易度が高いです。
・おかし
・なかま
・おかあさん
似たような文字数、似たような「か」の位置であっても難しい単語というのがあります。
単語の難しさは個人差がありますが、一般的には以下のようなものがあります。
間違った音が近くにある単語
「か」が「た」、つまり「かきくけこ」が「たちつてと」に近い音になっているお子さんの場合、
「かきくけこ」と「たちつてと」の音が近くにある単語は難しい単語です。
例えば「かた」、「たかい」など。
口の動きが広範囲になる単語
「か」は後舌を使う音です。
一方で、タ行やサ行、ラ行などは舌の前のほうを使う音です。
これらの音が混ざった単語は舌を後ろと前の両方を忙しなく使うので難しくなるわけです。
他には、「ぱぴぷぺぽ」は唇を使う音。
パ行の音は唇を一回閉じないと出せない音だからです。
「か」は口を開けたままでも出せますよね。
そのためパ行とカ行では唇と舌という違った場所を瞬時に使い分けないといけないので、子供さんによっては苦戦する場合があります。
具体的には「カピバラ」「カプチーノ」などです。
例えばカ行の音が苦手だった場合、
「けんか」という単語は「か」と「け」で苦手な音が2種類入っています。
発音練習で大切なのは、
苦手な音の練習は一つずつ丁寧に行うこと。
一気に複数の音を練習しようとしないこと。
もし今、お子さんと「か」の音の練習をしているなら「か」の音をしっかり発音することに力を注ぎます。
「けんか」の「け」の音が出ないのは目をつむります。
「けんか」の「け」と「か」両方に気を配るのは、
「か」の音の練習と「け」の音の練習の両方が終わってからです。
もちろん自然と出るぶんは構いません。
一度に苦手な音を2つも3つも要求しては子供がつらくなるということです。
ということで「か」の単語の練習はここまです。
次から徐々に応用練習になっていきます。
次回へ続きます。
次の記事:カ行の発音練習(5)~ 文章の練習~
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