発音のことを医学的に構音と言います。
発音の練習をすることを専門的には構音訓練と言ったりします。
個人差はありますが、
日本語において「かきくけこ」は比較的お子さんがつまづきやすい音です。
「かきくけこ」の構音訓練についての続きです。
前回の記事:カ行の発音練習(2)~うがいの練習~
前回までで、ガラガラうがいをマスターしたことと思います。
水を使わず、うがいをちょっと大げさに声を出しながらしてもらうと
「がらがらがら・・・・」となると思います。
うがいの動作をだんだん短くしていきます。
お子さんと指導する方が一緒にやるとスムーズでしょう。
「がらがらがら・・・」
「がらがら・・・」
「がっ」
これで「が(ga)」に近い音が出せるようになりました。
今度はこの「が」を「か」にします。
「が」と「か」の違いはなんでしょう?
「が」と「か」の違いは声帯が振動するかしないかです。
「が」は声帯が振動し、「か」は声帯が振動しません。
とはいっても、お子さんに「声帯を振動させないようにしてみて」なんて言っても「??」って感じですよね。
「こそこそ話するみたいにしよっか」などささやき声を促します。
すると「か」が促しやすいです。
ちなみに「が」がかなりきれいに出て、「か」がかなり難しそうな場合は「が」の音の練習からはじめてもOKです。
これはお子さんの状況によります。
さて、ここまでの段階で「か」が少しずつ出てきました。
今度はこの「か」の音を安定させていきます。
「か」は声帯が振動しない音です。
力んでしまわないように気をつけましょう。
優しく、けれど空気を勢いよく出す感覚が「か」の発音につながります。
うがいのときを思い出すように上を向いてみたり、
指導者が実際に「か」を言ってみたりしながら、
「か」の発音練習をしていきます。
そうやって普通の体勢で普通のタイミングで「か」を出せるようにしていきます。
「か」が出せるようになったら、さらに安定して出せるようになりましょう。
「かかか」繰り返してみたり
「かーー、かーーー」伸ばしてみたり
「かーかかかー」いろいろ組み合わせたり。
その他、速くしたり遅く言ったり。
いろいろなバリエーションで言えるようになりましょう。
「か」が単発で上手になったら、いよいよ他の音と組み合わせます。
音はそれだけ言えるようになっても実用的ではありません。
会話をするとき、私達は様々な音を連続的に言っているからです。
まずは簡単な母音と組み合わせていきましょう。
補足記事:「あいうえお」(母音)の発音の仕方
「か、あ」というように「か」と母音を言っていきます。
「か、い」、「か、う」、「か、え」、「か、お」
慣れたら速くします。
「かあ」、「かい」、「かう」、「かえ」、「かお」
今度はひっくり返します。
はじめはゆっくり、次第に速く。
「あか」、「いか」、「うか」、「えか」、「おか」
最後は母音で挟みます。
「あかあ」「いかい」「うかう」「えかえ」「おかお」
これらを安定して明瞭に、様々なスピードで言えるようにしていきます。
なぜ前後や真ん中に「か」を挟むのかは以下を参照ください。
補足記事:苦手な音がどこにくるかで発音の難しさは変わる
ここまでが「か」の音の単発レベルでの練習となります。
続きは次回に。
次の記事:カ行の発音練習(4)~単語の練習~
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