育児・教育コラム

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子供(保育園・幼稚園児)にとって「しりとり遊び」が大切な理由

公開日:2017年2月18日

昔ながらの習慣や育児というものは根拠がないものもある一方で、とても理にかなっているものもあります。
しりとり遊びもその一つです。

しりとりとは
「りんご」→「ゴリラ」→「ラッパ」のように
言葉の最後の音をとり、その音で始まる言葉を言っていく遊びです。
知らない人はいないくらい昔からある遊びですね。

しりとりは子供の成長、特に言葉の発達にとってとても良い遊びです。
 
 
 
【何歳から?】
一般的にしりとりができるようになるのは4~5歳頃です。
保育園や幼稚園の年中さんに相当する時期です。

補足記事:何歳が年少・年中・年長? 名称一覧

4歳台・5歳台とは年中~年長さんの時期です。

5歳前後の時期は子供の言葉の成長に特徴的なポイントがあります。

・発音の完成
・読み書きの始まり

そしてこの2つにしりとり遊びが大きく関わります。
 
 
 
【しりとりの意義とは?】
しりとりとはなんでしょう?
しりとり遊びをするには2つの過程が必要です。

1.言葉の最後の音を抜き出す。
2.抜き出した音から始まる言葉を考える

この2つの過程を行うためにはある能力が必要です。

言葉の音をバラバラに分解したり結合したりする能力です。
「しりとり」という言葉が、「し」「り」「と」「り」の4つの音で成り立っていることを知る能力です。
私達は無意識にその単語がどんな音で構成されているかがわかっています。
 
 
 
【言葉の音を認識する力】
言葉の音を分解したり結合するには、
・その言葉の音の数がわかること
・その言葉の何番目の音は何かわかること

が必要です。

「しりとり」は「し」「り」「と」「り」の4つの音で成り立っています。
始めが「し」で最後が「り」です。

これらはごく当たり前のように感じます。

しかしこれらの能力は3歳頃までの子供にはわかりません。
 
 
 
【1つの音の認識】
例えば「ぱ」という日本語の音があります。
ローマ字にすると「pa」ですね。

音声学的に、
「p」とは上下の唇とつけて空気を妨げる音です。
「a」は口を大きく開ける音です。

「a」だけの発音だと日本語では「あ」になりますね。
そして「pa」とは「p」→「a」と一瞬のうちに口を動かすことで成り立ちます。

しかし私達は日常どうでしょう?
「パン」と聞いて「ぱ」と「ん」だなと感じますが、
「ぱ」と聞いて「p」と「a」2つの音が発音されたなとは感じません。

それは日本語が「pa」で一つの音と感じる言語だからです。

どのような音の作りを「1つの音」として感じるかは言語によって異なります。

人は生まれたときから成長していく中で、母国語の音の感じ方に頭を慣らしていくのです。
 
 
 
【数の認識が加わって・・・】
4歳前後になってくると数の概念が身についてきます。
お皿の上のクッキーが1枚なのか3枚なのかわかってきます。

先ほどの「1つの音の区切りがわかる能力」と「数の概念」により、「しりとり」が「し」「り」「と」「り」という認識が芽生えます。
 
 
 
【しりとりとの関連性】
さて、先ほどしりとりは子供の言語発達に大切だと書きました。
しりとりは子供の発音と読み書きに良い影響を与えます。

これらの関連性を考えてみたいと思います。
 
 
 
【発音としりとり】
日本語の音は50音と濁音や半濁音(丸のこと)から成り立ちます。
発音が難しい音も簡単な音もありますが、
だいたいの音が出そろうのは5歳頃です。

補足記事:子供の発音は何歳で完成するのか?

5歳前後くらいから子供の発音はだいぶん大人に近づきます。
「おかち(お菓子)たべるー」などの稚拙な発音から徐々に「おかしたべる」といった完成された音になっていきます。

子供の滑舌がよくなるためには個々の音自体が出ることも重要ですが、それだけでは不十分です。
より聞き取りやすい発音のためには一つ一つの音を区切りよくはっきり言えることが重要です。

当然、区切りよくはっきり言うためには区切りがわからないといけません。

聞き取りやすい発音をするためには音の区切りがわからないといけないのです。

上手に発音することと、しりとりをすることはどちらも音を区切る能力が必要になるわけです。
 
 
 
【読み書きとしりとり】
5歳前後は読み書きが始まる時期でもあります。

補足記事:子供が読み書きできるのは何歳? 子供が読み書きできるようになるために必要なこと

例えば車の絵をみて文字で「くるま」と書くとしましょう。
車を見た子はまずこれが「くるま」だと認識します。
そして「くるま」は「く」・「る」・「ま」の3つの文字で作られていることを認識します。
この過程があってはじめて字を書くことができます。

この過程はしりとりをする過程と共通ですね。

補足記事:年齢別、読み書きのために親が子供に教えたら有意義なこと
 
 
 
【しりとりをしよう♪】
しりとりは特別な道具もなく、どこでも気軽にできる遊びです。
親子が隣同士にいればいつでもできます。

しりとりをするといろいろな言葉を考えるので語彙の増加にもつながるでしょう。

家事をしながら、車で出かけながらでもかまいません。
寝る前やお風呂に入りながらでもOKです。

今日お子さんと、しりとりをしてみませんか?
 
 
 
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