手を広げることができることの大切さ
0歳の赤ちゃんおける手の成長に関して、握る以上に「手を開く」という行為は非常に重要な意味を持ちます。
これは手をグーにするだけでなく、手をしっかりパーにすることができるかということを指します。
適齢期において手をパーにできない場合、発達につまずきがある可能性もあります。
解説
子育てから見る子供の握りの発達
赤ちゃんが親の指を握ってくれると嬉しいものです。
生後間もない頃は意図的というよりは無意識に握っているとわかっていても、親からするとやはり嬉しいものです。
「握る」という行為は主体的な動作に感じます。
そのため子育てにおいて親は、子供の「握る」という行為に目が行きがちで、手をしっかり開く(離す)という動きについてはあまり意識が向かないことが多いです。
しかしながら0歳頃の子供の発達では、むしろ握る以上に手をしっかり開けるかということが重要であり、見落とせないポイントになります。
子供の手先・指先の発達
千葉県習志野市が公開している「発達のみちすじと保育課題」や、そのほか各種発達検査を参考にすると、
子供は0歳頃からすでに物を握るという行為は見られます。
しかし0歳頃に重要なのは、「握る」以上に「手をしっかり開く」という行為ができるかです。
握る、つまり手をグーにする行為は指を曲げる「屈曲」の運動です。
これに対し手を開く、つまり手をパーにするのは指を伸ばす「伸展」の運動です。
手の開きにおけるこの「屈曲優位」から「伸展優位」になる経過は、子供の発達において非常に重要な指標です。
このときの手の開きは少しぼんやり開くのではなく、例えばもみじの葉っぱのようにしっかりと開くことを指します。
手をもみじの葉っぱのように開く様子はおおむね生後5か月頃から見られます。
参考資料
『幼児期における筆記具把持の発達的変化』(日本教育心理学会)2021年3月15日検索
『精神遅滞児におけるジャンケンの発達過程』(静岡大学学術リポジトリ)2021年3月15日検索
『発達のみちすじと保育課題』(千葉県習志野市)2021年3月15日検索