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体積の保存課題とは?
物は容器や配置を変えても、その量自体は同じです。
このような「数の保存」あるいは「量の保存」の概念は子供が発達する中で段階的に獲得していきます。
スイスの心理学者であるJean Piaget(ジャン・ピアジェ)は、こういった概念の獲得状況を確認するため「量の保存課題」を複数考案しました。
このうち、「体積の保存課題」は同形・同大・同素材の物を変形させ、保存の概念が獲得されているかを見ます。
解説
「体積の保存課題」の概要
「体積の保存課題」も他の保存課題と同様に、対応づけ困難な段階・非保存段階・移行段階・保存段階と段階を経て上達していくと考えられています。
保存課題はおおむね「確認」と「変換」の2段階の手続きにて行います。
体積の保存課題における変換は、同形・同大・同素材の物の形を変えて見せて変化をつけます。
そして体積の保存課題も他の保存課題同様、ピアジェの認知発達理論における「具体的操作期(7~11,12歳)」に獲得されると考えられています。
課題の手続き
対応づけと確認の手続き
同形・同大・同素材の物を準備します。
典型例としては粘土などがあるでしょう。
粘土玉A・Bを子供に提示し、これらが同じ体積であることを確認します。
ちなみに「体積」という言葉が子供によっては難しい場合もあるでしょう。
その場合は「嵩(かさ)」と言い換えたり、小さな紙コップなどに粘土を敷き詰め、その粘土を取り出し量が同じであることを示すなど提示を工夫します。(容積であることを強調します)
変換の手続き
子供が見ている前で、粘土玉Bの形を変えて見せます。(この変形させた粘土玉を粘土玉B´とします)
粘土玉Bを粘土玉B´にする際、ちぎったり分割したりせず量を変えないようにします。
この状態で、子供に粘土玉Aと粘土玉Bのどちらの体積が多いか、あるいは同じ体積かを問います。
ちなみに変換の手続きは子供が見ている状態で行うことが最も重要です。
前段階で確認した「体積が同じである」という前提を維持するためです。
子供が見えないところで行ってしまっては、なんらかの量的な介入があったことが否定できず課題の意味がなくなってしまいます。
保存課題の評価・分析
ピアジェの認知発達理論とは?
参考資料
伊藤朋子、椎名乾平(2013)『デザインと心理学の架け橋』(心理学評論刊行会)2024年10月26日閲覧



