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性に関わる意思決定の権利と責任に関する15~18歳の性教育
性に関わる意思決定の権利と責任を学ぶことも、性教育の一環です。
15~18歳を対象にした性教育では、
自身が性に関する意思決定を行う際、それが周囲にどのような影響を及ぼすのか、どのような責任が伴うのかを学びます。
性教育のエビデンス(科学的根拠)
国際的な流れとして、性教育は性行為に関する知識だけでなく、ジェンダー平等や性の多様性といった人権尊重を基盤にしたものが主流となりつつあります。
このような性教育を「包括的性教育」と言い、このガイドラインとしてユネスコによる「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」があります。
上記を参考に、12~15歳を対象にした(人権尊重を含む)性教育について考えます。
学習の要点
性的意思決定について
- 性的行動に関する合理的な判断をしやすくする、あるいはしにくくする要因を知る
- 性的な意思決定におけるネガティブなジェンダー規範、社会規範、仲間からの影響に対処する様々な方法を学ぶ
法律や権利について
- 性に関する意思決定は、自分自身、その家族、して社会に影響することを認識する
- 性的行動に関する責任ある意思決定をする
- 若者にとって、性的行動に関して何が可能で、何が不可能なのか(性的同意年齢、避妊具や性感染症およびHIVの状況、同性間の性的行動を含む健康に関するサービスへのアクセスなど)ということに影響する国内法を学ぶ
- 性的行動に関わる意思決定を見極める上で、自分達の権利を知っていることが重要であることを認識する
- 性的行動に関わる特定の意思決定の作用により生じうる法的責任を見極める
性的同意のためのコミュニケーションについて
- 性的同意を示すこと、示さないこと、性的同意を聞き取ることの例を学ぶ
- 同意のあるより安全なセックスがなぜ効果的なコミュニケーションを必要とするのかを学ぶる
- 自分を主張することや交渉のスキルは、望まない性的プレッシャーに対抗し、 あるいはより安全なセックスのための意思を強化することを認識する
- 個人のニーズや性的な許容範囲を伝える効果的なコミュニケーションを学ぶ
メディアについて
- セクシュアリティや性的関係に関するメディアによるメッセージが与えうるポジティブ、ネガティブな影響について考察する
支援やサービスについて
- 性と生殖に関する健康のためのサービスや支援にアクセスできる場所を学ぶ
- 若者は、プライバシーや秘密を守り、しかも安価で現実的なサービスやサポートを受けることができるべきであることを認識する
- 助けを求める適切な行動を学ぶ
- 罪悪感や恥の意識を抱くことなく、援助や支援、あるいはサポートの求め方を学ぶ
包括的性教育について
参考資料
『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』(UNESCO)2021年5月2日検索
『HIV/AIDSについて(ファクトシート)』(厚生労働省検疫所)2021年12月18日検索
『PrEPって?』(国立国際医療研究センター SH外来)2021年12月18日検索
『抗HIV薬の曝露後予防内服(PEP)』(国立研究開発法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)2021年12月18日検索